Jazz Standard — 1931
ラップ・ユア・トラブルズ・イン・ドリームズ
| 作詞 | Ted Koehler & Billy Moll(テッド・コーラー&ビリー・モル) |
|---|---|
| 作曲 | Harry Barris(ハリー・バリス) |
| 制作年 | 1931年 |
| 初演 | 1931年3月、ビング・クロスビーがガス・アーンハイム楽団と共にビクター・レコードで録音・発表。同年、マック・セネット製作の短編映画『One More Chance』でも披露された |
| キー | Ebメジャー |
| 拍子 | 4/4拍子 |
「Wrap Your Troubles in Dreams」は、1931年に作曲家ハリー・バリスと作詞家テッド・コーラー、ビリー・モルが共作した曲で、ビング・クロスビーがガス・アーンハイム楽団と共に発表した録音が最初のヒットとなりました。クロスビーは生涯にこの曲を4回録音しており、そのうちの一つの録音セッションでは、彼が歌詞を間違えてユーモラスに悪態をつく「ブロウアップ」音源が残されていることでも知られています。同年、ルイ・アームストロングによる録音も高く評価され、後年テレビドラマ『Treme』の第2シーズン最終話でこの録音が印象的に使われたことでも話題になりました。世界恐慌の時代に「悲しみを夢に包んで眠ってしまおう」という前向きなメッセージが、多くの人々の心に響いた一曲です。
歌の情景・意味
空が曇って灰色に見えても、それはたった一日だけのこと。だから悩みごとは夢に包んで、眠っている間に忘れてしまおう——そんな、シンプルながらも力強い励ましの歌です。築いた城が崩れ落ちることも、人生にはよくあること。それでも嘆く必要はない、笑って受け止めればいい。太陽はいつだって雨の後に必ずやってくるのだから。世界恐慌という厳しい時代に生まれたこの曲は、今も変わらず、悩みを抱える人々の心にそっと寄り添ってくれます。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Ebメジャー 形式:AABA(32小節)
ティンパンアレー期らしい、明るく親しみやすい和音進行が特徴です。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:「1・6・2・5」と呼ばれる、多くのスタンダード曲に使われる王道進行です。同じフレーズが2回繰り返されることで、誰もが口ずさみやすい親しみやすさが生まれています。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:AbからAdim(経過和音)を通ってEbに戻る部分が、雲間から一瞬だけ光が差し込むような効果を生んでいます。「太陽は雨の後に必ずやってくる」という歌詞の希望と、この和音の動きがよく重なります。
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Harry Barris ハリー・バリス(1905–1962)
米国ニューヨーク生まれの作曲家、ピアニスト、歌手。ビング・クロスビーらと共に人気ボーカル・グループ「リズム・ボーイズ」の一員として活躍し、そこで培った音楽的センスを活かして数々のヒット曲を生み出しました。「Wrap Your Troubles in Dreams」のほか、「I Surrender, Dear」「At Your Command」なども彼の代表作として知られています。