Jazz Standard — 伝承曲
ウェン・ザ・セインツ・ゴー・マーチング・イン
| 作詞 | 伝承(作者不詳) |
|---|---|
| 作曲 | 伝承(作者不詳) |
| 制作年 | 19世紀後半〜20世紀初頭(詳細不詳) |
| 初演 | 南部黒人教会のスピリチュアル(黒人霊歌)として歌い継がれ、1923年にパラマウント・ジュビリー・シンガーズが初めて録音。1938年のルイ・アームストロング盤で世界的に有名になった |
| キー | Ebメジャー |
| 拍子 | 4/4拍子(変則構成・後述) |
「When the Saints Go Marching In」は、作者も正確な成立年もわからない伝承曲で、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アメリカ南部の黒人教会でスピリチュアル(黒人霊歌)として歌い継がれてきたと考えられています。1923年、パラマウント・ジュビリー・シンガーズによって初めて録音され、その後1938年のルイ・アームストロングによる録音で世界的な人気を獲得しました。もともとニューオーリンズの「ジャズ・フューネラル(ジャズ葬送)」——お墓へ向かう道中は悲しみを込めた讃美歌を演奏し、埋葬を終えて帰る道では同じ曲を明るく賑やかに演奏し直すという伝統——において、埋葬後の「帰り道」に演奏される代表的な曲として親しまれてきました。現在ではニューオーリンズの非公式な市歌とも言われ、NFLのニューオーリンズ・セインツのチームソングにも採用されています。
歌の情景・意味
聖者たちが天の御国へ行進していくとき、自分もその列に加えてほしい——そんな、来るべき救いの日への希望を歌ったキリスト教の讃美歌です。太陽が輝きを止め、月が血のように赤く染まるという終末の情景を経て、最後にたどり着くのは恐れではなく、聖者たちと共に行進する喜びに満ちた光景です。もともとは奴隷制のもとで苦しんだ人々が、いつか訪れる解放と救いへの切実な祈りを込めて歌ったとも言われており、その後ニューオーリンズの葬送文化と結びつくことで、死を悲しみだけでなく、新しい旅立ちとして祝福する曲へと育っていきました。
この曲について
この曲はアメリカ南部の黒人教会に起源を持つスピリチュアル(黒人霊歌)であり、その正確な作者や成立年代は今も特定されていません。奴隷制時代からその後の時代にかけて口伝えで歌い継がれてきたと考えられており、当サイトではその歴史的背景に敬意を払いながらご紹介しています。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Ebメジャー 形式:16小節(讃美歌形式の繰り返し)
教会讃美歌らしい素朴な三和音を中心にした、誰でも歌いやすいシンプルな進行です。
主部(1〜8小節)
▶ ポイント:Eb(トニック)を中心に、Ab(サブドミナント)とBb7(ドミナント)だけで構成される、非常にシンプルな進行です。誰もが口ずさめるようにという、讃美歌ならではの親しみやすさが表れています。
後半(9〜16小節)
▶ ポイント:ジャズ・バンドで演奏される際は、この素朴な進行の上に自由な即興(アドリブ)が重ねられ、演奏するたびに違った表情を見せるのが魅力です。ニューオーリンズのブラスバンドでは、ここにさまざまな装飾やコール&レスポンスが加えられます。
George Lewis Vol. 2
George Lewis(ジョージ・ルイス)
編集盤
ニューオーリンズ・ジャズの素朴な魅力を、ジョージ・ルイスのクラリネットで楽しめます。
Belafonte
Harry Belafonte(ハリー・ベラフォンテ)
1956年 / RCA
ハリー・ベラフォンテの初期の代表作。温かな歌声で、フォークやカリプソの名曲が聴けます。
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伝承曲(作者不詳)
この曲はアメリカ南部の黒人教会で歌い継がれてきたスピリチュアル(黒人霊歌)に起源を持つと考えられており、特定の作詞・作曲者は判明していません。1896年に作られた同名の讃美歌「When the Saints Are Marching In」(作詞キャサリン・パーヴィス、作曲ジェームズ・M・ブラック)と混同されることがありますが、多くの研究者はこれとは別の系統の曲であるとしています。19世紀の奴隷制時代に生まれた祈りの歌が、20世紀初頭のニューオーリンズで葬送文化と結びつき、やがてジャズの世界的名曲へと育っていった――そんな長い口承の歴史を持つ曲です。