Jazz Standard — 1929
ワット・イズ・ジス・シング・コールド・ラヴ
| 作詞 | Cole Porter(コール・ポーター) |
|---|---|
| 作曲 | Cole Porter(コール・ポーター) |
| 制作年 | 1929年 |
| 初演 | ロンドンのレビュー『Wake Up and Dream』(1929年)にてエルシー・カーライルが歌唱 |
| キー | Cメジャー |
| 拍子 | 4/4拍子 |
「What Is This Thing Called Love?」は、1929年にコール・ポーターが作詞・作曲した曲で、ロンドンのレビュー『Wake Up and Dream』のために書かれました。当時のロンドン公演では、歌手エルシー・カーライルが舞台の袖に寄りかかりながら物憂げに歌う演出が評判となり、ショーの目玉のひとつとなりました。そのコード進行は後の世代のジャズ・ミュージシャンにも大きな影響を与え、タッド・ダメロンの「Hot House」をはじめ、この曲の和音進行を土台にした新しい曲(コントラファクト)が数多く生み出されました。速いテンポでスリリングに演奏されることが多いのも特徴で、ジャズ・ミュージシャンの腕試しの一曲としても親しまれています。
歌の情景・意味
「恋とは、いったい何なのだろう」——ある日突然、心を奪われ、そのまま投げ捨てられてしまった経験から生まれる、素朴で切実な疑問を歌った曲です。誰もが一度は感じたことのある、恋という不思議な感情の正体を、天にいる神様にさえ問いかけずにはいられない。そんな、少し自嘲気味でありながらも、どこかユーモラスな響きを持つのが、この曲の魅力です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Cメジャー 形式:AABA(32小節)
マイナー調の重厚な響きから始まる、ポーターらしい劇的な進行が特徴で、この和音進行はビバップ期に多くの新しい曲の土台としても使われました。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:Cmという暗く重厚な響きから始まり、少しずつ和音の色合いを変えながら進んでいく冒頭部分です。「恋とは何なのだろう」という問いかけの、少し思いつめたような雰囲気とよく合っています。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジでは一転して明るいEbに転調し、そこからいくつもの「ツーファイブ」進行を経て、最後にサビへ戻るためのG7(ドミナント)へとたどり着きます。この構造の複雑さが、多くのジャズ・ミュージシャンに新しい曲作りのヒントを与えました。
Mel Tormé at the Crescendo
Mel Tormé(メル・トーメ)
1957年 / Bethlehem
ロサンゼルスのクラブで録音された、メル・トーメのライヴ盤。ステージの熱気が伝わります。
Ella Fitzgerald Sings the Cole Porter Song Book
Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)
1956年 / Verve
コール・ポーターの名曲を歌った、エラの「ソングブック」シリーズ第1作。華やかで気品あふれる名唱集です。
Memorial Album
Clifford Brown(クリフォード・ブラウン)
1953年録音
若くして亡くなったクリフォード・ブラウンの、輝かしいトランペットを収めた録音集です。
Portrait in Jazz
Bill Evans(ビル・エヴァンス)
1960年 / Riverside
エヴァンスのトリオが、ジャズの対話を理想的な形で示した名盤。スタンダードの解釈が際立ちます。
Red Garland's Piano
Red Garland(レッド・ガーランド)
1957年 / Prestige
レッド・ガーランドが軽やかなブロック・コードで聴かせるピアノ・トリオ作品。くつろいだスウィング感が心地よいです。
名盤・名演のリンクはAmazonアソシエイト・リンクです。
Amazonのアソシエイトとして、ジャズ・スタンダード事典は適格販売により収入を得ています。
Cole Porter コール・ポーター(1891–1964)
米国インディアナ州生まれの作曲家、作詞家。裕福な家庭に生まれ、イェール大学、ハーバード大学で学んだのち、作詞・作曲の両方をこなす稀有な才能で数々のミュージカル・ナンバーを世に送り出しました。「Night and Day」「I Get a Kick Out of You」「Begin the Beguine」など、洗練されたウィットと都会的な感性を併せ持つ楽曲群は、今なお多くのジャズ・ミュージシャンに演奏され続けています。