Jazz Standard — 1964
ウォッチ・ホワット・ハプンズ
| 作詞 | Norman Gimbel(英語詞)/Jacques Demy(仏語原詞)(ノーマン・ギンベル/ジャック・ドゥミ) |
|---|---|
| 作曲 | Michel Legrand(ミシェル・ルグラン) |
| 制作年 | 1964年 |
| 初演 | 映画『シェルブールの雨傘』(1964年、仏)劇中歌「Récit de Cassard」として発表。英語詞版は1960年代半ばより米国でスタンダード化 |
| キー | Fメジャー |
| 拍子 | 4/4拍子(変則構成・後述) |
「Watch What Happens」は、1964年のフランス映画『シェルブールの雨傘』の中で歌われた「Récit de Cassard(カサールの語り)」という曲に、作詞家ノーマン・ギンベルが英語の歌詞をつけたものです。映画音楽の作曲家として知られるミシェル・ルグランの美しいメロディーに、人生には思いがけない出会いや幸運が待っているという前向きな言葉が重ねられ、1960年代後半から多くのジャズ・ミュージシャンや歌手に取り上げられるスタンダードとなりました。歌詞のない演奏だけのバージョンも多く、静かな夜にゆったりと聴きたい一曲です。
歌の情景・意味
映画の中では、資産家の男性が、辛い恋の傷を抱える若い女性に語りかける場面で歌われます。「心を閉ざさず、まずは目の前のことを受け入れてごらんなさい。そうすればきっと、思いがけない扉が開くはずです」——そんな、人生の先輩から若い人へ贈るような、優しく気長な励ましの歌です。悲しみを急いで振り払おうとするのではなく、静かに時が流れるのを見守るような温かさが漂っています。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Fメジャー 形式:不規則な展開(標準的な32小節AABAではなく、映画の「語り歌」らしく場面転換のように和音が移り変わっていくのが特徴)
ルグランらしい、メジャーセブンスとマイナーセブンスを多用した映画音楽的で洗練された響きが特徴です。
冒頭部(1〜8小節)
▶ ポイント:Fmaj7から始まる穏やかな響きが、まるで語りかけるように始まります。Am7→D7→Gm7→C7の流れは「セカンダリー・ドミナント」と呼ばれる技法で、遠くの調に一瞬だけ寄り道してからまた戻ってくる、映画音楽らしい色合いの変化です。
「Watch what happens」部(サビにあたる展開部)
▶ ポイント:「Watch what happens」という言葉が歌われる場面では、Em7(b5)→A7という少し切ないコードが挟まり、そこからDm7→Gm7→C7と流れるように元のFに戻っていきます。不安げな響きから解決していく様子が、歌詞の「きっと大丈夫」という気持ちの流れと重なります。
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Michel Legrand ミシェル・ルグラン(1932–2019)
フランス・パリ生まれの作曲家、ピアニスト、指揮者。『シェルブールの雨傘』『思い出の夏』など数多くの映画音楽を手がけ、アカデミー賞を3度受賞しました。クラシックの素養とジャズの即興性を融合させた独自の作風で知られ、「Watch What Happens」のほかにも「What Are You Doing the Rest of Your Life?」「The Windmills of Your Mind」など、数々のスタンダード曲を世に送り出しました。