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Jazz Standard — 1924

Trouble In Mind

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トラブル・イン・マインド

作詞Richard M. Jones(リチャード・M・ジョーンズ)
作曲Richard M. Jones(リチャード・M・ジョーンズ)
制作年1924年
初演Thelma La Vizzo(歌)、Richard M. Jones(ピアノ)による初録音(1924年5月15日、Paramount)
キーC(ハ長調)
拍子4/4拍子・スロー・ブルース形式(8小節ブルース)

「Trouble In Mind」は一般的な32小節のAABA形式ではなく、8小節のブルース形式で書かれた曲です。1924年、ジャズ・ピアニスト、リチャード・M・ジョーンズによって書かれ、歌手セルマ・ラ・ヴィッツォとジョーンズ自身のピアノ伴奏によって初めて録音されました。しかしこの曲を本当の意味で世に知らしめたのは、1926年、歌手バーサ「チッピー」ヒルによる録音です。この盤にはジョーンズのピアノに加え、若き日のルイ・アームストロングがコルネットで参加しており、以後この曲は初期ブルースの定番曲として広く定着していきました。歌詞にはルイジアナから続く「219番列車」への言及が登場しますが、実際の録音自体はシカゴで行われています。ブルース研究家ジェラール・エルツハフトはこの曲を「ジャズ、ブルース、ポップスの分野で繰り返し録音されてきたブルース・スタンダード」と評しており、以来ビッグ・ビル・ブルーンジー、ニーナ・シモン、サム・クック、ジャニス・ジョプリン、エヴァリー・ブラザーズら、ジャンルを越えた数多くのアーティストがこの曲を取り上げてきました。2020年にはブルース・ファウンデーションの殿堂入りを果たすなど、その歴史的な重要性が改めて評価されています。

歌の情景・意味

「心に悩みを抱え、私は憂鬱だ」——そう率直に語りながらも、いつまでもこの悲しみが続くわけではないと、静かに希望を抱く歌です。太陽がいつか裏口にも差し込んでくれるという素朴な比喩には、ブルースという音楽形式が本来持っている「苦しみを歌にすることで、それを乗り越えていく」という機能がよく表れています。歌詞の中には、遠く離れた場所を走る列車への言及もあり、今いる場所を離れて別の人生を求める思いが仄めかされることもあります。単なる嘆きの歌ではなく、苦しみの中にあってもなお前を向こうとする、初期アメリカン・ブルースに通底する強さと哀愁を体現した一曲です。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

Trouble in mind, I'm blue,
But I won't be blue always,
'Cause the sun's gonna shine in my back door someday.
Trouble in mind, that's true,
I've almost lost my mind,
Life ain't worth livin', sometimes I feel like I could die.
I'm gonna lay my head on some lonesome railroad line,
Let that 219 train ease my troubled mind.

キー:C(ハ長調) 形式:8小節ブルース(一般的な12小節ブルースとは異なる、短い構成)
典型的なブルースの語法を凝縮した、味わい深い進行です。

前半(1〜4小節)

C
G7
C7
F

▶ ポイント:主和音Cから、ドミナントのG7、そして主和音を7thにしたC7へと進み、下属和音Fへと向かう、ブルースの基本形を凝縮した4小節です。歌詞の「心に悩みを抱え、私は憂鬱だ」という率直な訴えと、この飾らない和音の動きがよく重なっています。この8小節ブルースは、一般的な12小節ブルースよりも短く簡潔な構成であることが特徴です。

後半(5〜8小節)

F♯dim7
C
Dm7
G7

▶ ポイント:後半冒頭のF♯dim7(ディミニッシュ)は、一瞬だけ緊張感を高める和音で、歌詞の「気が狂いそうになった」という切実な訴えとよく重なります。その後はDm7からG7へと進み、次の8小節(歌詞の繰り返し)へと戻っていきます。シンプルながら、ブルースならではの情感を凝縮した進行です。

1

Sonny Rollins Vol. 1

Sonny Rollins(ソニー・ロリンズ)

1956年 / Blue Note

ロリンズが若き日に残した、豪快で伸びやかなテナーが楽しめる初期の録音です。

2

Red Garland's Piano

Red Garland(レッド・ガーランド)

1957年 / Prestige

レッド・ガーランドが軽やかなブロック・コードで聴かせるピアノ・トリオ作品。くつろいだスウィング感が心地よいです。

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Richard M. Jones リチャード・M・ジョーンズ(1892–1945)

アメリカ・ルイジアナ州生まれ。ジャズ・ピアニスト、作曲家として1920〜30年代のシカゴのブルース・シーンで活躍し、数多くの女性ブルース歌手のレコーディングにピアノ伴奏者として参加しました。「Trouble In Mind」は彼の代表作であり、初期アメリカン・ブルースの定番曲として今も歌い継がれています。ジョーンズはまた、レコード・プロデューサーとしても手腕を発揮し、多くの才能あるミュージシャンを世に送り出したことでも知られています。