Jazz Standard — 1946
ゼアズ・ノー・ビジネス・ライク・ショウ・ビジネス
| 作詞 | Irving Berlin(アーヴィング・バーリン) |
|---|---|
| 作曲 | Irving Berlin(アーヴィング・バーリン) |
| 制作年 | 1946年 |
| 初演 | ミュージカル『Annie Get Your Gun』(1946年ブロードウェイ)でEthel Merman、Ray Middleton他が歌唱 |
| キー | F(ヘ長調) |
| 拍子 | 4/4拍子・行進曲調・AABA形式 |
1946年、作詞・作曲ともにアーヴィング・バーリンの手による、ミュージカル『Annie Get Your Gun(アニーよ銃をとれ)』のために書かれた一曲です。劇中では、名手アニー・オークリーを自分たちの一座に引き入れようとするバッファロー・ビルの一座の面々が、ショービジネスの魅力を歌って口説き落とす場面で歌われ、物語の中で3度にわたり繰り返し演奏されます。主演を務めたエセル・マーマンの当たり役となり、彼女は生涯を通じてコンサートやテレビでこの曲を披露し続けました。1953年には、NBCとCBS両局で同時生中継された『The Ford 50th Anniversary Show』で、実に6000万人ともいわれる視聴者を前にこの曲を歌い、伝説的な瞬間として語り継がれています。1954年には同名の映画も製作され、マーマンが再びこの曲を歌う姿が銀幕に残されました。以来、ショービジネスそのものを象徴するアンセムとして、ジュディ・ガーランド、フランク・シナトラ、アンドリューズ・シスターズなど数多くの歌手に歌い継がれています。
歌の情景・意味
ショービジネスという仕事の華やかさと厳しさを、少しおどけた調子で歌い上げるアンセムです。舞台裏では衣装が破れたり、腹を空かせたりと苦労が絶えないけれど、それでも幕が上がって拍手を浴びる瞬間には、他のどんな仕事にも代えがたい喜びがある——そんな芸人魂を、誇らしげに、そして少しユーモラスに歌います。恋愛を描いた歌ではなく、舞台に生きる人々の連帯感と誇りを称える内容で、ミュージカルの中では新しい仲間を勧誘する「口説き文句」としても機能しています。派手なファンファーレのようなメロディに乗せて、「これほど魅力的な仕事は他にない」という確信が繰り返し歌われる、明るく力強い一曲です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:F(ヘ長調) 形式:AABA(行進曲調)
ブロードウェイらしい堂々とした足取りで、力強くシンプルな和音進行が特徴です。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:ヘ長調の主和音とドミナントのC7を中心にした、非常に力強くシンプルな進行です。難しい転調はほとんどなく、行進曲のようにまっすぐ前へ進む足取りが、歌詞の「舞台を続けよう」という前向きなメッセージとよく重なっています。ビッグバンドやブラスセクションでの演奏に映える、堂々とした響きが特徴です。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジでは下属和音のBbが前面に出て、Aセクションとは少し違う明るい開放感を生みます。歌詞でいえば「衣装、舞台装置、メイク、小道具」と次々に舞台の要素を数え上げていく場面と重なり、リストアップするような弾む感覚があります。最後は再びAセクションへ堂々と戻っていきます。
Workin' with the Miles Davis Quintet
Miles Davis(マイルス・デイヴィス)
1956年録音 / Prestige
「マラソン・セッション」から生まれたマイルス・クインテットの名盤。緊張感あふれる演奏です。
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Irving Berlin アーヴィング・バーリン(1888–1989)
帝政ロシア(現ベラルーシ)生まれ。幼少期に家族とともにアメリカへ移住し、独学で音楽を学びながら、20世紀アメリカを代表する作曲家・作詞家へと成長しました。「White Christmas」「God Bless America」「Cheek to Cheek」など、時代を超えて愛される名曲を数多く残しています。「There's No Business Like Show Business」もまた、彼自身の作詞・作曲による代表作の一つであり、ショービジネスそのものへの深い愛情が込められた一曲です。101歳で世を去るまで、アメリカ音楽史に計り知れない足跡を残しました。