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Jazz Standard — 1928(録音年)

St. James Infirmary

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セント・ジェームズ・インファーマリー

作詞伝承曲(作者不詳)
作曲伝承曲(作者不詳)
制作年起源不詳(18世紀の英国民謡に由来/1928年ルイ・アームストロング録音で広く知られる)
初演1928年12月、ルイ・アームストロング&ヒズ・サヴォイ・ボールルーム・ファイヴが録音。作曲者はドン・レッドマン名義とされたが、後の再発盤では「ジョー・プリムローズ」(音楽プロデューサー、アーヴィング・ミルズの筆名)名義に変更された
キーDm(ニ短調)
拍子4/4拍子・8小節ブルース形式(一般的な12小節ブルースではない)

「St. James Infirmary」は、正確な作者も成立年代もはっきりしない、出自の謎に包まれたアメリカン・フォークソングです。18世紀イギリスの民謡「The Unfortunate Rake(不運な放蕩者)」に由来すると言われることが多いものの、実際に現在知られている形の直接的な系譜を裏づける確たる証拠はなく、音楽学者の間でも意見が分かれています。1925年にはフィル・バクスターとカール・ムーアの名義で「Gambler's Blues」という曲名の楽譜が出版され、これがアメリカでの最初期の商業出版とされています。この曲を今日のような形で不朽の名曲にしたのは、1928年12月のルイ・アームストロング&ヒズ・サヴォイ・ボールルーム・ファイヴによる録音でした。当初はセッションに参加していたドン・レッドマンが作曲者としてクレジットされましたが、後の再発盤では音楽出版者アーヴィング・ミルズの筆名である「ジョー・プリムローズ」名義に差し替えられています。一般的な12小節ブルースとは異なり8小節構成の短調のメロディーが特徴で、ジャズ・ミュージシャンの葬儀の際には慣例的にこの曲が演奏されることでも知られています。

この曲の背景について

この曲の伝統的な歌詞は、亡くなった恋人を看取る場面や、自らの葬儀の様子を語る内容など、死や喪失をテーマとした重い内容を含みます。本ページでは、原詩の持つそうした情感を尊重しつつ、過度に生々しい描写は避け、要約・再構成した訳詞で紹介しています。

歌の情景・意味

語り手が「セント・ジェームズ療養所」を訪れ、そこで横たわる愛する人と最後の別れを交わす場面から始まる歌です。喪失の悲しみを歌いながらも、後半では自らの死後、盛大な葬儀を望むという逆説的な明るさへと転じていきます。悲嘆にくれるだけでなく、ニューオーリンズのジャズ葬送のように、死をも陽気に見送ろうとする独特の死生観が、この曲の大きな魅力となっています。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

I went down to the old infirmary, so far from home
There I saw my darling, lying still and alone
Stretched out on a table, so pale and so still
Let her go, let her go, God bless her, wherever she may be
Now when I die, bury me in my Sunday best suit
A gold piece on my watch chain, so they'll know I'm on the loose
Put six crapshooters as pallbearers, a jazz band on my hearse
Let them play a rag as I roll on by, that's how the story ends

キー:Dm 形式:8小節ブルース(一般的な12小節ブルースとは異なる短い構成)
短調ならではの陰影に富んだ響きで、悲しみと諦観が入り混じった雰囲気を作り出しています。

前半(1〜4小節)

Dm
Dm
Gm6
Dm

▶ ポイント:「Dm」の物悲しい響きが基調となり、療養所を訪れる重い足取りを思わせます。「Gm6」の一瞬の翳りが、深い悲しみをそっと表現しています。

後半(5〜8小節・ターンアラウンド)

A7
Dm
A7
Dm

▶ ポイント:「A7→Dm」というシンプルな往復進行が繰り返され、ブルースらしい黒っぽく粘りのある響きを生んでいます。即興演奏の余地も大きく、古くから多くのミュージシャンが自由な解釈を加えてきました。

1

Complete Town Hall Concert

Louis Armstrong(ルイ・アームストロング)

1947年録音

ニューヨークのタウン・ホールで行われた、ルイ・アームストロングの歴史的コンサートの記録です。

2

Red Garland's Piano

Red Garland(レッド・ガーランド)

1957年 / Prestige

レッド・ガーランドが軽やかなブロック・コードで聴かせるピアノ・トリオ作品。くつろいだスウィング感が心地よいです。

3

Fatha

Earl Hines(アール・ハインズ)

編集盤

「ファーザー」の愛称で親しまれたアール・ハインズのピアノが楽しめる一枚です。

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伝承曲(作者不詳)

「St. James Infirmary」は特定の作者を持たない、出自不明のアメリカン・フォークソングです。18世紀イギリスの民謡「The Unfortunate Rake」がルーツのひとつとされることが多いものの、直接的な系譜を証明する確かな資料は見つかっていません。1920年代のアメリカ南部で少しずつ形を変えながら歌い継がれ、1928年のルイ・アームストロングの録音によって、私たちが今日知る形の決定版が生まれました。出版上は「ジョー・プリムローズ」(実在しない筆名)名義がクレジットされていますが、実際にはこの曲を単独で「作った」人物を特定することは今もできていません。