Jazz Standard — 1970
ア・ソング・フォー・ユー
| 作詞 | Leon Russell(レオン・ラッセル) |
|---|---|
| 作曲 | Leon Russell(レオン・ラッセル) |
| 制作年 | 1970年 |
| 初演 | レオン・ラッセルの1970年発表のセルフタイトル・デビューアルバムに収録。シングルとしては発表されなかったが、以降200組以上のアーティストにカバーされ続けている |
| キー | Dm(ニ短調) |
| 拍子 | 4/4拍子・ヴァース+コーラス形式(一般的なAABA32小節形式ではない) |
「A Song For You」は1970年、シンガー・ソングライターのレオン・ラッセルが自身のデビュー・アルバムのために書いた楽曲です。ラッセル自身の証言によれば、フランク・シナトラやレイ・チャールズが歌えるような「スタンダード・ナンバー」を書こうとしてこの曲に取り組み、わずか10分ほどで書き上げたといいます。シングルとしては発表されなかったものの、翌1971年にアンディ・ウィリアムスがカバーしたのを皮切りに、ダニー・ハサウェイのライブ盤での熱唱によって広く知られるようになりました。以来カーペンターズがアルバムタイトルに採用し、1993年にはレイ・チャールズの録音がグラミー賞を受賞するなど、ジャンルを超えて200組以上のアーティストに歌い継がれる「事実上のスタンダード」となりました。ジャズ・ヴォーカルの分野でもキャロル・スローンやナンシー・ウィルソンをはじめ多くの歌手に取り上げられ、リアルブックにも収録される定番曲のひとつとなっています。
歌の情景・意味
これまでの人生でいろいろな場所を旅し、数え切れないほどの歌を歌ってきた——そんな半生を振り返りながら、大切な誰かにひとつの歌を捧げる曲です。かつて相手に冷たくしてしまったことへの後悔、そして「あなたこそが自分にとって一番大切な存在だ」という率直な告白が、飾らない言葉で綴られています。舞台の上で多くの人々に見られながら生きてきた自分の人生を、たった一人のために歌に込める——そんな静かで誠実な愛の表明が、この曲の核にあります。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
※この曲は一般的なAABA32小節形式ではなく、ヴァースとコーラスが交互に繰り返される構成で書かれています。ここでは前半のヴァースと後半のコーラス部分に分けて紹介します。
キー:Dm 拍子:4/4
ゴスペルやソウル・ミュージックの影響を感じさせる、分数コードを多用した滋味深い和音進行が特徴です。
前半(ヴァース)
▶ ポイント:「Dm→A7/C#」というベース音が半音ずつ下降していく進行が、しみじみとした語りかけるような雰囲気を作っています。分数コードの多用が、ゴスペル的な深みのある響きを生んでいます。
後半(コーラス)
▶ ポイント:コーラス部分では平行調の変ハ長調(C)へと開けていくような和音進行になり、「あなたに歌を捧げる」という決意が音楽的にも明るく力強く表現されます。
The Great American Songbook
Carmen McRae(カーメン・マクレエ)
1972年 / Atlantic
カーメン・マクレエがライヴで聴かせる、アメリカン・スタンダード集。語りかけるような歌が魅力です。
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Leon Russell レオン・ラッセル(1942–2016)
アメリカのシンガー・ソングライター、ピアニスト。オクラホマ州タルサ出身で、10代からセッション・ミュージシャンとして活動し、フィル・スペクターのプロデュース作品などにも参加しました。1970年のデビュー・アルバムで「A Song For You」「Delta Lady」などの代表曲を発表し、その後も独自のルーツ・ロック/ゴスペル的な作風でロック・アンド・ロール殿堂入りを果たすなど、幅広いジャンルに影響を与えた音楽家です。