Jazz Standard — 1948
ソー・イン・ラヴ
| 作詞 | Cole Porter(コール・ポーター) |
|---|---|
| 作曲 | Cole Porter(コール・ポーター) |
| 制作年 | 1948年 |
| 初演 | ブロードウェイ・ミュージカル『Kiss Me, Kate(キス・ミー・ケイト)』にて、元夫から誤って届いた花束を手にしたリリー・ヴァネッシ役の女優が歌唱 |
| キー | Fm(ヘ短調) |
| 拍子 | 4/4拍子・32小節AABA形式 |
「So In Love」は1948年、コール・ポーターがシェイクスピアの戯曲『じゃじゃ馬ならし』を下敷きにしたミュージカル『Kiss Me, Kate』のために書いた楽曲です。劇中では、元夫から別の女性宛だったはずの花束が誤って届けられたことをきっかけに、ヒロインのリリーが複雑な胸の内を歌い上げます。当初は悲しみと諦めから始まる歌が、歌が進むにつれて「それでもまだ好きなのだ」という報われない恋心の告白へと変化していく構成が印象的です。第二次世界大戦後、しばらく低迷していたポーターのキャリアを一気に押し上げた大ヒット・ミュージカルの代表曲のひとつで、パティ・ペイジのヴォーカル録音が特に有名です。以来フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルドをはじめ数多くのジャズ・ヴォーカリストにも取り上げられ、ポーター晩年の代表作として今も愛され続けています。
歌の情景・意味
かつての恋人のことを、もう忘れたつもりでいたのに、ふとした瞬間にその気持ちがまだ消えていないことに気づいてしまう——そんな報われない恋心を歌った曲です。「あなたのそばにいるだけで、空いっぱいに星が広がるよう」という比喩に象徴されるように、理屈では割り切れない、抑えきれない愛おしさが静かに、しかし切実に歌われます。冷静でいようとすればするほど、かえって想いの強さが際立つ、大人の恋の複雑さを描いた一曲です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Fm 形式:AABA(32小節)
コール・ポーターらしい半音進行を含んだ、憂いを帯びた美しい和声が特徴です。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:分数コード「Fm/C」から始まる物憂げな響きが、諦めきれない恋心を表現しています。「Bbm6」の翳りのある和音が、歌詞の切なさと美しく重なり合います。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジでは平行調である変イ長調へ転じ、一時的に希望の光が差し込むような明るさが生まれます。しかし最後にはまた元の短調へ引き戻され、報われない想いの複雑さを音楽的に表現しています。
Ella Fitzgerald Sings the Cole Porter Song Book
Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)
1956年 / Verve
コール・ポーターの名曲を歌った、エラの「ソングブック」シリーズ第1作。華やかで気品あふれる名唱集です。
Ballads & Blues
Milt Jackson(ミルト・ジャクソン)
1956年 / Atlantic
ミルト・ジャクソンのヴィブラフォンが、バラードとブルースをやさしく歌い上げる一枚です。
Trio Vol. 1
Hampton Hawes(ハンプトン・ホーズ)
1955年 / Contemporary
ハンプトン・ホーズの歯切れよいバップ・ピアノが楽しめる、ウェストコーストの名盤です。
名盤・名演のリンクはAmazonアソシエイト・リンクです。
Amazonのアソシエイトとして、ジャズ・スタンダード事典は適格販売により収入を得ています。
Cole Porter コール・ポーター(1891–1964)
アメリカの作詞・作曲家。裕福な家庭に生まれ、イェール大学やハーバード大学で学んだ後、独自の洗練された言葉遊びと都会的な旋律で一時代を築きました。「Night And Day」「I Get A Kick Out Of You」など数々のスタンダードを生み出し、『Kiss Me, Kate』は戦後低迷していたキャリアを見事に復活させた代表作として知られています。