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Jazz Standard — 1933

Smoke Gets in Your Eyes

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スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ

作詞Otto Harbach(オットー・ハーバック)
作曲Jerome Kern(ジェローム・カーン)
制作年1933年
初演1933年、ブロードウェイ・ミュージカル「ロバータ」にてタマラ・ドラシン歌唱。映画化(1935年)でも広く知られる。
キーE♭ major(変ホ長調)
拍子4/4拍子 32小節・AABA形式

「スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ」は、1933年にブロードウェイで上演されたミュージカル「ロバータ」のために、ジェローム・カーンが作曲しオットー・ハーバックが詞をつけた名曲です。カーンはもともとこのメロディをコミカルな早口のナンバーとして思い描いていましたが、演出家の勧めでゆったりとしたバラードに仕立て直したという逸話が残っています。その変更が功を奏し、曲は初演から大きな反響を呼びました。1935年の映画版でも使われて広く知られるようになり、その後ジャズ・スタンダードとして定着。1958年にはドゥーワップ・グループのプラターズが録音した版が全米チャート1位を獲得し、世界中でこの曲の名が知られるきっかけとなりました。「煙が目にしみる」というタイトルは、愛した者を失った悲しみで目に涙があふれることを、焚き火の煙に例えた詩的な比喩表現であり、そのイメージの鮮やかさがこの曲を時代を超えた作品にしています。

歌の情景・意味

愛する人に別れを告げられた歌い手が、かつての幸せな日々と今の悲しみを静かに語る歌です。「友人たちは、恋をすると目がくらむと笑った。でもわたしは笑い返した——そんなことはないと思っていたから。ところが愛が去ったとき、目に煙がしみた」という構造になっています。「Smoke Gets in Your Eyes(煙が目にしみる)」という表現は、英語で「涙で目が見えなくなる」という意味を、自然界の煙という具体的なイメージに重ねた詩的な言い回しです。友人の忠告を聞かずに恋に落ち、傷ついて初めてその言葉の意味がわかった——この普遍的な経験が、老いも若きも問わず聴く人の心に響き続ける理由でしょう。悲しみの中にも品格と静けさが漂うのは、カーンのメロディとハーバックの詞が一体となって醸し出す、この曲ならではの気品です。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

Verse(前置き)

They asked me how I knew my true love was true.

I of course replied, "Something here inside cannot be denied."

They said someday you'll find all who love are blind.

When your heart's on fire, you must realize smoke gets in your eyes.

Chorus(コーラス)

So I chaffed them and I gaily laughed to think they could doubt my love.

Yet today, my love has flown away; I am without my love.

Now laughing friends deride, tears I cannot hide.

So I smile and say, "When a lovely flame dies,

Smoke gets in your eyes."

キー:E♭ major(変ホ長調) 形式:AABA(32小節)
ジェローム・カーンらしい優美な和声が特徴で、属七の和音をたっぷりと使いながらも流れるような自然さがあります。転調の扱いが巧みで、聴いていても演奏していても飽きのこない曲として知られます。

A セクション(1〜8小節)

E♭
Cm7
Fm7
B♭7
E♭
B♭7
E♭
E♭7

▶ ポイント:E♭→Cm7→Fm7→B♭7という「ワン・シックス・ツー・ファイブ」の流れはジャズ・ポップスの基本中の基本。耳が慣れると他の多くの曲にも同じパターンが聴こえてきます。セクション最後のE♭7(変ホ属七)はブリッジへの「橋渡し」の役割を担います。

B セクション(ブリッジ・17〜24小節)

A♭
A♭m6
E♭ / G
Gdim7
Fm7
B♭7
E♭
E♭7

▶ ポイント:ブリッジ冒頭のA♭(変イ長調)からA♭m6(短調化)への動きが、この曲最大の聴きどころのひとつです。長調から短調へのほんの一瞬の転換が、「愛が去った」という歌詞の悲しみと見事に呼応します。続くGdim7(減七和音)が緊張を高め、Fm7→B♭7でE♭へと安らかに戻る解決感が絶品です。

1

Autumn in New York

Jo Stafford(ジョー・スタッフォード)

ヴォーカル作品

ジョー・スタッフォードの澄んだ歌声で、秋のニューヨークを描いたスタンダードを味わえます。

2

No Count Sarah

Sarah Vaughan(サラ・ヴォーン)

1958年 / EmArcy

カウント・ベイシー楽団のメンバーと録音した、サラ・ヴォーンの名盤。のびやかな歌声が光ります。

3

The Art Tatum Trio

Art Tatum(アート・テイタム)

1950年代録音

アート・テイタムの超絶技巧を、ベースとギターとのトリオで楽しめる一枚です。

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Jerome Kern ジェローム・カーン(1885–1945)

ニューヨーク生まれのジェローム・カーンは、アメリカン・ミュージカルの父とも呼ばれる作曲家です。ヨーロッパのオペレッタの影響を受けながらも、そこにアメリカ独自のポップ感覚と洗練された和声感覚を融合させ、ブロードウェイ・ミュージカルの様式を確立しました。1927年の「ショウ・ボート」は音楽劇の歴史を塗り替えた記念碑的作品として知られています。「スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ」のほかにも「オール・ザ・シングス・ユー・アー」「ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト」など数々の不朽の名曲を残し、アカデミー賞も受賞しました。ガーシュウィン、コール・ポーターらと並び、20世紀前半のアメリカン・ポップスの礎を築いた巨人のひとりです。