Jazz Standard — 1941
スカイラーク
| 作詞 | Johnny Mercer(ジョニー・マーサー) |
|---|---|
| 作曲 | Hoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル) |
| 制作年 | 1941年(出版)/1942年ヒット |
| 初演 | 1941年11月、ジーン・クルーパ楽団(ヴォーカル:アニタ・オデイ)が初録音。1942年にはビング・クロスビー、グレン・ミラー楽団の録音がヒットした |
| キー | Eb(変ホ長調) |
| 拍子 | 4/4拍子・32小節AABA形式(演奏者によりコード解釈が多様なことで知られる) |
「Skylark」は、作曲家ホーギー・カーマイケルが親友であったコルネット奏者ビックス・バイダーベックへの追悼として書いたメロディーがもとになっています。当初はバイダーベックの生涯を題材にしたブロードウェイ・ミュージカルのために構想されましたが、その企画は実現しませんでした。カーマイケルはこのメロディーを作詞家ジョニー・マーサーに託し、マーサーは実に半年から1年近くをかけて歌詞を練り上げたと伝えられています。当時マーサーは女優ジュディ・ガーランドとの道ならぬ恋の渦中にあり、その切ない恋心が歌詞に色濃く反映されているといわれています。1941年11月にジーン・クルーパ楽団(ヴォーカル:アニタ・オデイ)が初めて録音し、翌1942年にはビング・クロスビーやグレン・ミラー楽団の録音が大ヒット。即興性の高い美しいメロディーラインは技巧的にも難易度が高く、演奏者ごとにコード解釈が異なることでも知られ、今日に至るまでジャズ・ヴォーカルの重要なレパートリーとして愛され続けています。
歌の情景・意味
空高く飛ぶヒバリ(スカイラーク)に語りかけるように、まだ見ぬ恋人のもとへ自分を連れて行ってほしいと願う歌です。夜の静けさの中に聞こえてくる音楽、心に住み続ける面影——形にならない憧れや切なさを、大空を自由に飛ぶ鳥の姿に重ねて歌い上げています。具体的な出来事を語るのではなく、抽象的で詩的なイメージの積み重ねによって深い恋しさを表現する、ジャズ・スタンダードの中でも特に文学性の高い一曲です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Eb 形式:AABA(32小節)
ヒバリが空を舞うように、なめらかに移り変わる浮遊感のある和音進行が特徴です。演奏者によって解釈が分かれることでも知られています。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:「Ebmaj7→Fm7→Bb7」という滑らかな進行が、空を舞うヒバリの動きを思わせる浮遊感を生み出しています。派手さはありませんが、じっくり味わうほど奥深い和声です。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジでは短調由来の和音を交えながら転調していく、この曲最大の聴きどころです。「ヒバリに道を尋ねる」という詩的な問いかけの場面にふさわしい、幻想的な響きになっています。
Birds of a Feather
Carmen McRae(カーメン・マクレエ)
1958年 / Decca
カーメン・マクレエが小編成で歌う、初期の名盤。語りかけるような歌いまわしが魅力です。
Next Album
Sonny Rollins(ソニー・ロリンズ)
1972年 / Milestone
ロリンズが多彩なスタイルを披露した70年代の作品。力強いテナーの存在感が際立ちます。
名盤・名演のリンクはAmazonアソシエイト・リンクです。
Amazonのアソシエイトとして、ジャズ・スタンダード事典は適格販売により収入を得ています。
Hoagy Carmichael ホーギー・カーマイケル(1899–1981)
アメリカの作曲家・ピアニスト・俳優。インディアナ大学在学中からジャズに親しみ、ビックス・バイダーベックら初期ジャズの名手たちと交流しながら音楽の道へ進みました。「Stardust」「Georgia On My Mind」など、時代を超えて愛され続ける数々のスタンダードを世に送り出し、アメリカン・ポピュラーソングを代表する作曲家として高く評価されています。