Jazz Standard — 1928
シーズ・ファニー・ザット・ウェイ
| 作詞 | Richard A. Whiting(リチャード・A・ホワイティング) |
|---|---|
| 作曲 | Neil Moret(ニール・モレー) |
| 制作年 | 1928年 |
| 初演 | 短編映画『Gems of M-G-M』(1931年公開)でマリオン・ハリスが「I'm Funny That Way」として歌唱。1929年にはテッド・ルイスの録音がヒットした |
| キー | A(イ長調) |
| 拍子 | 4/4拍子・ヴァースとコーラスが対になった変則的な構成(一般的なAABA32小節形式ではない) |
「She's Funny That Way」は1928年、作曲家ニール・モレー(本名チャールズ・N・ダニエルズ)と、自身も名作曲家として知られるリチャード・A・ホワイティングが手がけた楽曲です。ホワイティングの娘で歌手のマーガレット・ホワイティングによれば、この歌詞はもともと父が妻エレノアに宛てて書いた詩だったといい、友人の勧めで曲を付けることになったといいます。自らも作曲家でありながら、この曲では旧知のモレーにメロディーを任せたという逸話も残っています。テッド・ルイスの1929年録音でヒットし、以降フランク・シナトラ、ビリー・ホリデイ、ナット・キング・コール、トニー・ベネットら数多くのアーティストに歌い継がれてきました。「自分は大した男じゃないけれど、そんな自分を好きでいてくれる女性がいる」という、当時としては珍しく男性目線で歌われるトーチソングとしても知られています。女性歌手が歌う際には主語を入れ替えた「He's Funny That Way」の題名で歌われることも多く、性別を超えて長く愛されてきた一曲です。
歌の情景・意味
「自分は特に見栄えもしないし、大した稼ぎもない、それでも構わず好きでいてくれる人がいる」——そんな謙虚な自己紹介から始まり、最後には「彼女は変わっているんだ、そんな自分を好きだなんて」という、ちょっと照れくさい愛情表現へとたどり着く歌です。派手な愛の告白ではなく、ありのままの自分を受け入れてくれる相手への、しみじみとした感謝と愛おしさが込められています。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
※この曲は一般的なAABA32小節形式とは異なり、2行のヴァースと2行のコーラスが対になって繰り返される変則的な構成で書かれています。ここでは前半のヴァース+コーラス部分と中間のブリッジ部分に分けて紹介します。
キー:A 拍子:4/4
1920年代らしい軽快でおしゃれな響きの和音進行が特徴です。
前半(ヴァース+コーラス)
▶ ポイント:「A→A6」という軽やかな響きから始まり、少し照れくさそうに言葉を紡ぐ歌詞の雰囲気とよく合っています。「D→D6」の柔らかな移り変わりも、この時代の楽曲らしい上品な味わいです。
中間部(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジでは「彼女は僕がいなくてもきっと幸せなはずなのに、それでも離れずにいてくれる」という少し複雑な心境を表すように、和音も少しずつ表情を変えていきます。最後にE7で元の調へと戻ります。
Welcome to the Club
Nat King Cole(ナット・キング・コール)
1959年録音
ナット・キング・コールが、カウント・ベイシー楽団とともに聴かせる、スウィング感あふれる一枚です。
Stan Getz Plays
Stan Getz(スタン・ゲッツ)
1952年 / Clef
スタン・ゲッツのやわらかなテナーが、バラードを中心にじっくりと歌う初期の名盤です。
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Neil Moret ニール・モレー(1878–1943)
本名チャールズ・N・ダニエルズ。アメリカの作曲家・楽譜出版業者で、「ニール・モレー」の名で数多くのポピュラーソングを世に送り出しました。「She's Funny That Way」のほか、「Chloe」「Hiawatha」などのヒット曲でも知られ、20世紀初頭のティン・パン・アレーを代表する作曲家のひとりです。