Jazz Standard — 1965
ザ・シャドウ・オブ・ユア・スマイル
| 作詞 | Paul Francis Webster(ポール・フランシス・ウェブスター) |
|---|---|
| 作曲 | Johnny Mandel(ジョニー・マンデル) |
| 制作年 | 1965年 |
| 初演 | 映画『The Sandpiper(邦題:いそしぎ)』のラブテーマとして、ジャック・シェルドンのトランペット・ソロで初登場。1965年アカデミー歌曲賞、グラミー「今年のレコード賞」を受賞した |
| キー | Bb(変ロ長調) |
| 拍子 | 4/4拍子・32小節AABA形式 |
「The Shadow Of Your Smile」は1965年、ジャズ畑出身の作曲家ジョニー・マンデルが、エリザベス・テイラーとリチャード・バートン主演の映画『The Sandpiper(邦題:いそしぎ)』のために書いたラブテーマです。マンデルは当初ジョニー・マーサーに作詞を依頼しましたが、製作サイドが仕上がりに満足せず、改めてポール・フランシス・ウェブスターが起用されました。劇中ではジャック・シェルドンのトランペット・ソロによって印象的に演奏され、後にトニー・ベネットがヴォーカル・ヒットさせたことで広く知られるようになります。1965年のアカデミー歌曲賞と、翌年のグラミー「今年のレコード賞」をダブル受賞し、2004年のAFI「アメリカ映画主題歌ベスト100」にも選出されるなど、映画音楽発のジャズ・スタンダードとして揺るぎない評価を確立した名曲です。
歌の情景・意味
恋人が去ってしまった後も、その人の「微笑みの残像」だけがいつまでも心に残り、これからの毎日の夢をそっと彩り続ける——そんな余韻に満ちた歌です。実際に会えなくなっても、記憶の中の微笑みが色あせることなく寄り添ってくれる、という静かで美しい慰めが歌われています。派手な感情表現を避け、淡く儚い光のような愛の名残を歌う、しっとりとした余韻の曲です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Bb 形式:AABA(32小節)
曲の出だしがトニック(主和音)ではなく、もの寂しさを帯びたマイナーコードから始まるのが最大の特徴で、これが曲全体の切なさを決定づけています。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:主和音である「Bb」ではなく、もの憂げな「Ebm6」から曲が始まるのがこの曲最大の特徴です。まるで最初から切なさを抱えたまま歌が始まるような、忘れがたい印象を残します。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジでは短調由来の和音を織り交ぜながら、「儚くも美しかった時間」への想いを音楽的に描いています。最後にAセクションの物憂げな冒頭へと帰っていきます。
Johnny Mandel ジョニー・マンデル(1925–2020)
アメリカの作曲家・編曲家。トランペットやトロンボーンの奏者としてビッグバンド界でキャリアをスタートさせた後、映画音楽の分野で活躍しました。「The Shadow Of Your Smile」のほか、映画・テレビドラマ『M*A*S*H』のテーマ曲でも知られ、ジャズと映画音楽の両方に精通した稀有な作曲家として高く評価されています。