Jazz Standard — 1947
オールド・デビル・ムーン
| 作詞 | E.Y. "Yip" Harburg(イップ・ハーバーグ) |
|---|---|
| 作曲 | Burton Lane(バートン・レイン) |
| 制作年 | 1947年 |
| 初演 | ブロードウェイ・ミュージカル『Finian's Rainbow』(フィニアンの虹、1947年初演) |
| キー | 短調から並行長調へ移る構成(原曲) |
| 拍子 | 4/4拍子・32小節形式 |
「Old Devil Moon」は1947年、作曲家バートン・レインと作詞家イップ・ハーバーグのコンビによって書かれ、ミュージカル『フィニアンの虹』の劇中歌として発表されました。この作品はアイルランドの妖精伝説とアメリカ南部の物語を組み合わせたユニークな内容で知られ、その中でもこの曲は、恋に落ちた者の戸惑いと高揚を月の魔力になぞらえた印象的な一曲です。短調で始まりながら途中で長調へと転じる劇的な構成が特徴で、ジャズメンにとっては即興演奏のしがいがある曲として長年愛奏されてきました。ビル・エヴァンスやウェス・モンゴメリーをはじめ、多くの名手が独自の解釈でこの曲に取り組んでいます。
歌の情景・意味
主人公は、夜空に浮かぶ月を「いたずら好きな古い魔物(オールド・デビル・ムーン)」に見立てます。恋人の瞳を見つめるたびに、まるで月の魔法にかけられたように理性を失い、心が乱されてしまう――そんな抗いがたい恋の高揚感を、少しおどけた調子で歌い上げます。真剣な愛の告白でありながら、どこか自分自身を茶化すようなユーモアも漂う、大人の恋歌といえるでしょう。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:C minor → 並行長調へ 形式:32小節
短調で漂うように始まり、サビ手前で長調へと転じる劇的な作りが最大の特徴です。マイナーの陰影とメジャーの開放感、両方を味わえる曲です。
前半(マイナー部・1〜8小節)
▶ ポイント:物憂げなマイナーの響きが続きます。「月明かりの下で少し落ち着かない気持ち」を思い浮かべながら聴くと、雰囲気がつかみやすくなります。
後半(長調部・9〜16小節)
▶ ポイント:ここで一気に長調へ転じ、視界が開けるような明るさが訪れます。マイナーからメジャーへの切り替わりを意識して聴くと、この曲の劇的な魅力がよく分かります。
Sings the Most
Anita O'Day(アニタ・オデイ)
1957年 / Verve
オスカー・ピーターソン・トリオを従えた、アニタ・オデイの代表作。スリリングな歌いまわしが魅力です。
Chris Connor
Chris Connor(クリス・コナー)
1956年 / Atlantic
クリス・コナーのハスキーでクールな歌声を堪能できる、アトランティック期の代表作です。
A Night at the Village Vanguard
Sonny Rollins(ソニー・ロリンズ)
1957年 / Blue Note
ロリンズがベースとドラムだけを従えて豪快に吹く、ピアノレス・トリオの名ライヴ盤です。
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Burton Lane バートン・レイン(1912–1997)
ニューヨーク生まれの作曲家。ハリウッド映画音楽で早くから才能を発揮し、後にブロードウェイでも活躍しました。代表作『フィニアンの虹』は社会風刺を織り交ぜたユニークな作品として知られ、この「Old Devil Moon」のほか「How Are Things in Glocca Morra」なども人気を博しました。作詞家イップ・ハーバーグとの共作は、機知とロマンティシズムを兼ね備えた楽曲群として今も高く評価されています。