Jazz Standard — 1958
ノー・モア・ブルース(原題:Chega de Saudade/シェガ・ジ・サウダージ)
| 作詞 | Vinícius de Moraes(ヴィニシウス・ジ・モライス/ポルトガル語詞)、英語詞:Jon Hendricks(ジョン・ヘンドリックス) |
|---|---|
| 作曲 | Antônio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン) |
| 制作年 | 1958年 |
| 初演 | 1958年、ジョアン・ジルベルトの録音により発表。ボサノヴァ誕生を告げた記念碑的作品として知られる |
| キー | ニ短調(Dm) |
| 拍子 | 4/4拍子・ボサノヴァ形式(AABA的展開) |
「No More Blues(原題:Chega de Saudade/シェガ・ジ・サウダージ)」は、作曲アントニオ・カルロス・ジョビンと作詞ヴィニシウス・ジ・モライスによる、1958年にジョアン・ジルベルトの録音で発表された楽曲です。この録音はボサノヴァというジャンルを世に知らしめた最初の一枚として広く知られており、音楽史における記念碑的な一曲といえます。ポルトガル語のタイトル「Chega de Saudade」は「もう十分な郷愁・切なさ」という意味を持ち、英語詞ではジョン・ヘンドリックスにより「No More Blues(もう憂鬱はいらない)」というタイトルで親しまれています。ゆったりとした波のようなリズムと、洗練された和声が特徴です。
歌の情景・意味
遠くにいる恋人を想い、切ない郷愁(サウダージ)に沈んでいた語り手が、「もうこんな悲しみはたくさんだ」と自分に言い聞かせるように歌います。悲しみに浸り続けるのではなく、いつかまた愛する人のもとへ帰り、幸せな日々を取り戻したいという前向きな願いが込められた一曲です。ブラジル特有の「サウダージ」という、切なさと懐かしさが入り混じった感情を、軽やかなリズムに乗せて歌い上げています。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Dm 形式:ボサノヴァ(AABA的展開)
ジョビンならではの洗練された和声と、揺れるようなボサノヴァ・リズムが融合しています。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:ベース音がゆっくり下降するDm7→Dm7/C→Bbmaj7の流れが、波が寄せては返すようなボサノヴァらしい揺らぎを生んでいます。難しく考えず、この心地よい揺れを感じてみてください。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジでB7という明るい響きのコードが登場し、「帰ってきてほしい」という願いに一筋の希望の光が差すような効果を生んでいます。
At the Great American Music Hall
Carmen McRae(カーメン・マクレエ)
1976年 / Blue Note
サンフランシスコのクラブで録音されたカーメン・マクレエのライヴ。観客を引き込む歌いまわしが聴きどころです。
Wave
Antonio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン)
1967年 / A&M
ジョビンが洗練されたオーケストラとともに聴かせる代表作。ボサノヴァの心地よさが詰まった一枚です。
Big Band Bossa Nova
Stan Getz(スタン・ゲッツ)
1962年 / Verve
ゲッツのやわらかなテナーが、ビッグバンドの響きと溶け合うボサノヴァ作品です。
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Antônio Carlos Jobim アントニオ・カルロス・ジョビン(1927–1994)
リオデジャネイロ出身の作曲家・ピアニスト・ギタリスト。「イパネマの娘」をはじめとする数々の名曲を生み出し、ボサノヴァというジャンルを世界に広めた中心人物です。クラシック音楽の素養とブラジル民謡的な要素を融合させた洗練された和声感覚は、ジャズ・ミュージシャンにも大きな影響を与えました。