Jazz Standard — 1935
ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス
| 作詞 | Cole Porter(コール・ポーター) |
|---|---|
| 作曲 | Cole Porter(コール・ポーター) |
| 制作年 | 1935年 |
| 初演 | ミュージカル『Jubilee(邦題:ジュビリー)』の劇中歌として初演 |
| キー | E♭ major |
| 拍子 | 4/4拍子・64小節(拡張AABA形式) |
「Just One of Those Things」は1935年、コール・ポーターがミュージカル『Jubilee』のために作詞・作曲した一曲です。ポーターは作詞と作曲の両方を一人でこなす才能の持ち主で、この曲でもその洗練された言葉選びと洒脱なメロディが存分に発揮されています。歌の内容は、燃え上がるように激しく始まった恋が、結局は長続きせず終わってしまった、そのことをあっさりと、しかしどこか気品をもって受け止める、大人の恋愛観を描いたものです。感傷に浸りすぎず、むしろ軽妙な言い回しで恋の顛末を振り返るところに、ポーターならではの洒落たセンスが光ります。テンポの速い演奏に適した曲としても知られ、多くのジャズ演奏家がスピード感のあるアドリブの題材として取り上げてきました。
歌の情景・意味
歌の主人公は、まるで幻想的な花火のように激しく燃え上がった恋を振り返っています。あまりに美しく、あまりに素晴らしかったその恋も、結局は長くは続かず、二人はそれぞれの道を歩むことになりました。しかし主人公は、それを深く嘆くのではなく、「まあ、そういうこともあるさ」と、少し肩をすくめるように受け止めます。人生には、素晴らしくても長続きしないものがある――そんな達観と、それでも美しかった思い出への敬意が同居する、洗練された大人の別れの歌です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:E♭ major 形式:拡張AABA(64小節)
速いテンポで演奏されることが多く、切れ味のあるⅡ-Ⅴ進行が畳みかけるように続くのが特徴です。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:明るいE♭maj7から始まり、A♭m6という短調的な響きが一瞬差し込むところが聴きどころです。晴れやかさの中にふと影がよぎるような、洒落た和声の使い方です。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジではⅡ-Ⅴの流れが小刻みに続き、テンポの速い演奏では畳みかけるようなスリルが生まれます。速いテンポで演奏される曲の代表格として、ジャズ演奏家の腕試しの一曲としても知られています。
Sinatra at the Sands
Frank Sinatra(フランク・シナトラ)
1966年 / Reprise
カウント・ベイシー楽団と共演した、ラスベガスでのライヴ名盤。円熟したシナトラの歌と語りが楽しめます。
Live at Fabrik Hamburg 1986
Gil Evans(ギル・エヴァンス)
1986年録音
編曲の名手ギル・エヴァンスが率いたオーケストラのライヴ。自由で色彩豊かなサウンドです。
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Cole Porter(コール・ポーター、1891–1964)
アメリカ・インディアナ州の裕福な家庭に生まれ、イェール大学やハーバード大学で学んだのち、作詞・作曲の両方を自ら手がける稀有な才能として頭角を現しました。機知に富んだ言葉遊びと、都会的で洗練されたメロディが持ち味で、「Night and Day」「I've Got You Under My Skin」など、数多くのジャズスタンダードを世に送り出しています。ミュージカルと映画の両分野で活躍し、20世紀アメリカのポピュラーソングを代表する作家の一人として今も高く評価されています。