Jazz Standard — 1940
イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド
| 作詞 | Lorenz Hart(ロレンツ・ハート) |
|---|---|
| 作曲 | Richard Rodgers(リチャード・ロジャース) |
| 制作年 | 1940年 |
| 初演 | ミュージカル『Higher and Higher(邦題:ハイヤー・アンド・ハイヤー)』(1940年ブロードウェイ初演) |
| キー | ハ短調(Cm) |
| 拍子 | 4/4拍子・32小節 ABAC形式 |
「イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド」は、1940年のミュージカル『ハイヤー・アンド・ハイヤー』のためにリチャード・ロジャースとロレンツ・ハートが書いた楽曲です。ロジャース=ハート・コンビとしては最後期の作品のひとつであり、ハートの詞は皮肉と痛みの入り混じった独特の翳りを帯びています。恋人を失った後になって初めて、自分がどれほどその人を必要としていたかに気づく――そんなほろ苦い後悔を描いた歌詞と、短調の物憂げなメロディーが見事に調和した名曲です。派手さはありませんが、静かに深く心に残るバラードとして、多くのジャズ・ミュージシャンに愛奏されています。
歌の情景・意味
語り手は、かつて自分のそばにいた誰かがいなくなった今になって、朝、目覚めたときの静けさや、一人で過ごす夜の寂しさに初めて気づかされています。「あの人がいなくなって寂しいと感じるなんて、思ってもみなかった」という戸惑いそのものが曲名の意味です。失って初めて分かる大切さという、誰もが経験しうる普遍的な感情を、静かに、そして正直に綴った歌です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
※上記は原詞の主題を伝えるための大意訳・パラフレーズであり、逐語訳ではありません。
キー:Cm 形式:ABAC
短調ならではの物憂げな響きが、後悔と喪失感をじっくりと表現しています。
前半(1〜8小節)
▶ ポイント:冒頭のCm6が持つ、悲しさと諦めの入り混じった響きが、この歌の後悔の感情を象徴しています。
後半(1〜8小節)
▶ ポイント:一瞬Eb maj7という明るい響きに差し掛かりますが、すぐにまた短調へと引き戻される流れが、失ったものへの未練を音で表しています。
Workin' with the Miles Davis Quintet
Miles Davis(マイルス・デイヴィス)
1956年録音 / Prestige
「マラソン・セッション」から生まれたマイルス・クインテットの名盤。緊張感あふれる演奏です。
Stan Getz & J.J. Johnson at the Opera House
Stan Getz & J.J. Johnson(スタン・ゲッツ&J.J.ジョンソン)
1957年 / Verve
テナーとトロンボーンの名手が共演したライヴ。白熱した掛け合いが楽しめる名作です。
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Richard Rodgers リチャード・ロジャース(1902–1979)
アメリカの作曲家。ロレンツ・ハートとの黄金コンビでミュージカル史に名を刻んだ後、オスカー・ハマースタイン2世と組み『オクラホマ!』『南太平洋』『サウンド・オブ・ミュージック』など数々の傑作ミュージカルを世に送り出しました。美しく歌心のある旋律作りに定評があり、そのメロディーの多くが今もジャズ・スタンダードとして演奏され続けています。