Jazz Standard — 1936
アイ・キャント・ゲット・スターテッド
| 作詞 | Ira Gershwin(アイラ・ガーシュウィン) |
|---|---|
| 作曲 | Vernon Duke(ヴァーノン・デューク) |
| 制作年 | 1936年 |
| 初演 | 1936年、レビュー「Ziegfeld Follies of 1936」にて発表 |
| キー | E♭メジャー(演奏によりBやCも使用) |
| 拍子 | 4/4拍子・verse付きAABA形式(約56小節) |
「I Can't Get Started」は、1936年にヴァーノン・デュークが作曲し、アイラ・ガーシュウィンが作詞したユーモラスなラブソングです。もともとはレビュー・ショー「ジーグフェルド・フォリーズ1936」の中で発表されました。大西洋横断飛行の成功や大統領との会見など、数々の華々しい業績を挙げてきた男が、たった一人の女性の心だけは手に入れられない、というおかしみのある歌詞が特徴です。1937年にトランペット奏者バニー・ベリガンが録音したバージョンが大ヒットし、以後ジャズのスタンダードとして定着しました。軽妙な歌詞と、後半の切なさを帯びたメロディーの対比が魅力の一曲です。
歌の情景・意味
歌の主人公は、世間的には成功者です。飛行機で大西洋を渡り、著名人とも交友があり、あらゆることを成し遂げてきました。ところが、たった一人、心から愛する女性にだけは振り向いてもらえません。どれほど自慢できる経歴があっても、恋の始め方(get started)が分からずに戸惑っている――そんな、おかしくもどこか切ない片思いの心情が歌われています。誇張されたユーモアの奥に、誰もが経験しうる「思うようにいかない恋心」がにじむ、大人のためのラブソングです。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:E♭メジャー 形式:verse付きAABA
ゆったりとしたバラード進行で、途中の転調がドラマチックな効果を生んでいます。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:落ち着いた前半のコード進行が、「これまでの輝かしい実績」を語る余裕のある雰囲気を支えています。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジで「それが何の役に立つのか」と歌う部分は、コードの緊張感が高まり、片思いのもどかしさをより強く感じさせます。
Sinatra at the Sands
Frank Sinatra(フランク・シナトラ)
1966年 / Reprise
カウント・ベイシー楽団と共演した、ラスベガスでのライヴ名盤。円熟したシナトラの歌と語りが楽しめます。
8 Classic Albums
Rosemary Clooney(ローズマリー・クルーニー)
編集盤
ローズマリー・クルーニーの名盤8枚をまとめたセット。明るく温かい歌声をたっぷり楽しめます。
Mad About the Boy
Cybill Shepherd(シビル・シェパード)
1976年録音
女優シビル・シェパードがスタン・ゲッツらを迎えて録音したヴォーカル作品。気だるく甘い歌声が魅力です。
Benny Goodman Box Set
Benny Goodman(ベニー・グッドマン)
編集盤
「スウィングの王様」グッドマンの録音をまとめたボックス。華やかなバンド・サウンドを存分に楽しめます。
Study in Brown
Clifford Brown & Max Roach(クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ)
1955年 / EmArcy
ブラウン=ローチ・クインテットの代表作。輝くトランペットと疾走感あふれるハード・バップの名演が並びます。
名盤・名演のリンクはAmazonアソシエイト・リンクです。
Amazonのアソシエイトとして、ジャズ・スタンダード事典は適格販売により収入を得ています。
Vernon Duke ヴァーノン・デューク(1903–1969)
ロシア帝国生まれの作曲家で、本名はヴラディーミル・デュケルスキー。革命後にアメリカへ渡り、ジョージ・ガーシュウィンの勧めで英語名「ヴァーノン・デューク」を名乗るようになりました。クラシック音楽の素養を活かした洗練された和声が特徴で、「April in Paris」や「Autumn in New York」など、都会的な雰囲気を持つ数々のスタンダードを生み出しました。