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Jazz Standard — 16世紀(イギリス伝承曲)

Greensleeves

お気に入り

グリーンスリーヴス

作詞不詳(イギリス伝承曲)
作曲不詳(イギリス伝承曲)
制作年16世紀頃(初出版は1580年)
初演作者・初演記録は不明。エリザベス朝時代のイギリスに起源を持つ民謡として広く伝承されてきた
キーAm(Aマイナー)
拍子3/4拍子・変奏を伴う旋律形式

「Greensleeves」は16世紀のイギリスに起源を持つ伝承曲で、作詞・作曲者は明らかになっていません。1580年に出版記録が残っているのが最も古い文献上の言及とされ、以来数百年にわたって世代を超えて歌い継がれてきました。かつてはヘンリー8世が作ったという伝説も広まりましたが、音楽的な様式から見て、これは史実としては否定されています。哀愁を帯びた短調の旋律が特徴で、クラシック音楽からポピュラー音楽まで幅広いジャンルで編曲され続けてきた、時代を超えた名旋律です。ジャズの世界では、ジョン・コルトレーンによる革新的な演奏をはじめ、多くのミュージシャンによって新たな解釈が加えられてきました。

歌の情景・意味

歌の主人公は、「グリーンスリーヴス」と呼ぶ愛する女性に向かって、これまで尽くしてきた愛情を切々と訴えます。贈り物をし、心を尽くしてきたにもかかわらず、その愛が冷たく扱われてしまったことへの嘆きと未練が、歌全体に流れています。「あなたは私を無情にも見捨てた、それなのに私はまだあなたを愛している」という、報われない恋の切なさを描いた、静かで美しい哀歌です。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

Alas, my love, you do me wrong to cast me off discourteously.
And I have loved you so long, delighting in your company.
Greensleeves was all my joy, Greensleeves was my delight.
Greensleeves was my heart of gold, and who but my lady Greensleeves.

キー:Am(Aマイナー) 形式:伝承曲特有の反復構造
ルネサンス期の様式を思わせる下降するベースラインが特徴的で、荘厳さと哀愁を同時に感じさせる。

主題部(1〜8小節)

Am
G
F
E7
Am
G
F
E7

▶ ポイント:AmからG、Fへと下降していくベースラインは、ルネサンス期の音楽によく見られる荘厳な進行で、まるで一歩ずつ丁寧にお辞儀をするような品格を感じさせます。E7で生まれる緊張感が、また最初のAmへと帰る自然な流れを作ります。

展開部(変奏部分)

C
G
Am
E7
Am
G
F
E7

▶ ポイント:平行調のCに転じることで、束の間だけ穏やかな明るさが差し込みます。しかしすぐにAmの短調へと戻り、報われない恋の切なさを湛えたまま曲が締めくくられていきます。

1

Africa/Brass

John Coltrane(ジョン・コルトレーン)

1961年 — Impulse! Records

モーダルな解釈を加えた革新的な演奏で、この伝承曲に全く新しい響きを与えた歴史的録音です。

2

First Place Again

Paul Desmond(ポール・デスモンド)

1959年 / Warner Bros.

ジム・ホールらと組んだ、デスモンドの穏やかなワン・ホーン作。柔らかなアルトが歌います。

3

Kenny Burrell & John Coltrane

Kenny Burrell & John Coltrane(ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン)

1958年 / Prestige

ギターのバレルとテナーのコルトレーンが共演した作品。落ち着いたバラードが印象的です。

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作者不詳(イギリス伝承曲)

「Greensleeves」は特定の作曲家によるものではなく、16世紀のイギリスに起源を持つ民謡として、口承によって世代を超えて伝えられてきた楽曲です。かつてはヘンリー8世が愛する女性のために作ったという伝説が広く語られましたが、音楽様式の分析から、これは後世に生まれた俗説であるとされています。作者は不明のままですが、その荘厳で哀愁を帯びた旋律は、時代や国境を越えて今なお多くの音楽家に愛され続けています。