Jazz Standard — 1938
ゲット・アウト・オブ・タウン
| 作詞 | Cole Porter(コール・ポーター) |
|---|---|
| 作曲 | Cole Porter(コール・ポーター) |
| 制作年 | 1938年 |
| 初演 | ミュージカル『Leave It to Me!』(1938年、ブロードウェイ初演)にて発表 |
| キー | C minor |
| 拍子 | 4/4拍子・32小節AABA形式 |
「Get Out of Town」は1938年、コール・ポーターが作詞・作曲を手がけたミュージカル『Leave It to Me!』のために書かれた曲です。同じ舞台からは、当時無名だったメリー・マーティンが歌った「My Heart Belongs to Daddy」も生まれており、この曲もその陰に隠れがちながら、ポーターらしい洗練された旋律と切実な感情表現を併せ持つナンバーとして、後年ジャズ・ミュージシャンや歌手たちに再発見されていきました。短調で書かれた曲でありながら暗さに沈み込みすぎず、緊張感と気品を漂わせる仕上がりが特徴です。
歌の情景・意味
歌の主人公は、去っていこうとする相手に向かって、切実な思いで「この町を出て行って、私から離れて」と繰り返し訴えます。一見突き放すような言葉に聞こえますが、その裏には「あなたがそばにいると、私はまだ諦めきれずに苦しんでしまう」という、相手への強い未練が隠れています。愛が終わりきらないからこそ、相手に去ってほしいと願う——そんな矛盾した切なさが、この曲の核にある感情です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:C minor 形式:AABA(32小節)
短調の緊張感を保ちながら進み、Bブリッジで一時的に平行調へ抜けることで、わずかな救いと切なさの両方を感じさせる。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:冒頭のCm6は、押し殺した緊張感を漂わせる響きで、「本当は別れたくないのに」という気持ちがにじみます。Dm7b5からG7への動きは、切実な訴えがクライマックスに向かって高まっていくような感覚を作ります。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:平行調のEbMaj7に転じることで、束の間だけ光が差し込むような安らぎが生まれます。しかしEbm6ですぐに翳りが戻り、結局は逃れられない切なさへと引き戻されていく構成になっています。
Rosemary Clooney Sings the Music of Cole Porter
Rosemary Clooney(ローズマリー・クルーニー)
1982年 / Concord
コール・ポーターの名曲を、円熟したクルーニーが温かく歌い上げた作品です。
名盤・名演のリンクはAmazonアソシエイト・リンクです。
Amazonのアソシエイトとして、ジャズ・スタンダード事典は適格販売により収入を得ています。
Cole Porter コール・ポーター(1891–1964)
コール・ポーターはアメリカン・ソングブックを代表する作詞・作曲家で、「Night and Day」「I've Got You Under My Skin」など数々のスタンダード曲を生み出しました。裕福な家庭に生まれ、イェール大学やハーバード大学で学んだ後、ブロードウェイ・ミュージカルの世界で活躍。洗練された言葉遊びと、半音階を巧みに使った気品ある旋律づくりが持ち味で、「Get Out of Town」もその高い作曲技術がよく表れた一曲です。