Jazz Standard — 1934
フォー・オール・ウィ・ノウ
| 作詞 | Sam M. Lewis(サム・M・ルイス) |
|---|---|
| 作曲 | J. Fred Coots(J・フレッド・クーツ) |
| 制作年 | 1934年 |
| 初演 | 1934年に発表され、その後多くのダンス・バンドや歌手によって取り上げられた |
| キー | E♭ major(原調) |
| 拍子 | 4/4拍子・AABA形式・32小節 |
「For All We Know」は、1934年に作曲家J・フレッド・クーツと作詞家サム・M・ルイスによって書かれた一曲です。同じ「For All We Know」という題名を持つ1970年代の楽曲(映画音楽としてカーペンターズが歌ったもの)とは全く別の作品で、こちらはジャズ・スタンダードとして長い歴史を持つ、より古い時代の名曲です。「先のことは誰にもわからないのだから、今この瞬間の愛を大切にしよう」という、はかなさと今を生きる覚悟を歌ったテーマは、大恐慌時代の不安な世相を背景に、多くの人々の心を掴みました。ビリー・ホリデイをはじめとする数多くのジャズ・ヴォーカリストがこの曲を取り上げ、時代を超えて歌い継がれる定番曲となっています。
歌の情景・意味
歌の主人公は、恋人に向かって「明日のことは誰にもわからない」と語りかけます。永遠の愛を誓うことはできないかもしれない、けれど、だからこそ今この瞬間に精一杯愛し合おう——そんな、儚さを受け入れた上での切実な想いがこの曲の核心にあります。悲観的になるのではなく、限りある時間だからこそ今を大切にしようという、静かながらも力強いメッセージが、シンプルな言葉の中に込められています。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:E♭ major 形式:AABA(32小節)
穏やかな進行の中に、はかなさを感じさせる短調的な響きが差し込まれ、曲のテーマとよく合っています。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:出だしのEbmaj7からCm7への動きは、穏やかさの中にわずかな翳りを感じさせます。この「今は幸せだけれど、先はわからない」という感覚が、曲全体の情緒を支えています。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジでは同じ進行を丁寧に繰り返すことで、「今この瞬間を大切に」という歌詞の願いを、音楽的にも強調しています。
Ultimate Nat King Cole
Nat King Cole(ナット・キング・コール)
編集盤
ナット・キング・コールの代表曲を集めたベスト盤。ビロードのような歌声で、名曲の数々が楽しめます。
The Paul Desmond Quartet Live
Paul Desmond(ポール・デスモンド)
1975年録音
「テイク・ファイヴ」の作者デスモンドのライヴ。ドライで柔らかなアルトが、穏やかに歌います。
Wynton Marsalis & Eric Clapton Play the Blues
Wynton Marsalis & Eric Clapton(ウィントン・マルサリス&エリック・クラプトン)
2011年録音
ジャズとロックの巨匠が、古いブルースやジャズを演奏したライヴ。ニューオーリンズの香りがする楽しい共演です。
名盤・名演のリンクはAmazonアソシエイト・リンクです。
Amazonのアソシエイトとして、ジャズ・スタンダード事典は適格販売により収入を得ています。
J. Fred Coots J・フレッド・クーツ(1897–1985)
アメリカのポピュラー音楽作曲家。生涯に700曲以上を作曲したとされ、クリスマスソングの定番「Santa Claus Is Comin' to Town」の作曲者としても広く知られています。「For All We Know」のように、シンプルな旋律の中に深い情感を込める作風で、多くのジャズ・ヴォーカリストに愛される楽曲を数多く残しました。