Jazz Standard — 1954
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン / イン・アザー・ワーズ
| 作詞・作曲 | Bart Howard(バート・ハワード) |
|---|---|
| 制作年 | 1954年 |
| 原題 | In Other Words(イン・アザー・ワーズ) |
| 初演 | Kaye Ballard(ケイ・バラード)— 1954年 / Decca Records |
| キー | C major(ハ長調)※移調して演奏されることも多い |
| 拍子 | 4/4拍子 32小節(AABA形式)※原曲は3/4拍子ワルツ |
「月に連れて行って」という夢のようなタイトルで世界中に知られるこの曲は、もともと「イン・アザー・ワーズ(In Other Words)」という原題で1954年にバート・ハワードが作りました。「詩人は愛を語るのに難しい言葉を使いすぎる。でも結局言いたいのは、手を握って、キスして——それだけだ」というメッセージが込められています。1964年にフランク・シナトラがカウント・ベイシー楽団とクインシー・ジョーンズのアレンジで吹き込んだスウィング・バージョンが世界的に大ヒット。アポロ計画による月面着陸とも重なり、時代のアンセムとなりました。日本では『新世紀エヴァンゲリオン』のエンディングテーマとして使われ、若い世代にも広く親しまれています。
歌の情景・意味
「月まで連れて行って、星の間で遊ばせて。木星や火星の春がどんなものか見てみたい」——壮大な宇宙への旅を語りながら、その裏にある本当の言葉は「つまり(In other words)、手を握って。つまり、キスして」というシンプルな愛の告白です。
心を歌で満たして、永遠に歌い続けさせて。あなたこそが私の求めるすべて、崇め愛するすべて。「つまり、嘘をつかないで。つまり、あなたを愛してる」——宇宙規模の言葉を借りて、ただそれだけを伝えたい。バート・ハワードが込めた「愛はもっとシンプルでいい」という想いが、半世紀以上経った今も聴く人の胸に響きます。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:C major(ハ長調) 形式:AABA(各セクション8小節、計32小節)
元は3/4拍子のワルツでしたが、シナトラ版でスウィング4/4拍子に生まれ変わりました。
「枯葉」と同様に、サークル・オブ・フィフス(5度圏)を順番に下っていく進行が特徴で、ジャズ入門として最適な曲のひとつです。
A セクション(1〜8小節)— 3回繰り返し
▶ ポイント:Am→Dm→G→C→F と、5度ずつ下がる「サークル・オブ・フィフス」進行。 流れるような自然さがあり、ジャズ・ピアノ入門の定番として教則本にも必ず登場します。
B セクション(ブリッジ)(17〜24小節)— 1回のみ
▶ ポイント:Bブリッジも同じ5度圏の流れを保ちながら、C7でFへ一時転調するのがアクセント。 曲全体を通して同じ「法則」が使われているので、一度覚えると全セクション弾けるようになります。
Blues by Basie
Count Basie(カウント・ベイシー)
1950年代録音・編集盤
カウント・ベイシー楽団のブルース演奏を集めた一枚。少ない音で大きくスウィングするベイシー流の魅力が詰まっています。
Duke Ellington & John Coltrane
Duke Ellington & John Coltrane(デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン)
1962年 / Impulse!
世代の違う二人の巨匠が共演した名盤。エリントンの品格あるピアノに、コルトレーンが優しく寄り添います。
Sinatra at the Sands
Frank Sinatra(フランク・シナトラ)
1966年 / Reprise
カウント・ベイシー楽団と共演した、ラスベガスでのライヴ名盤。円熟したシナトラの歌と語りが楽しめます。
Getz/Gilberto
Stan Getz & João Gilberto(スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト)
1964年 / Verve
ボサノヴァを世界に広めた歴史的名盤。ゲッツの柔らかなテナーと、ジルベルトのささやく歌声が溶け合います。
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Bart Howard バート・ハワード(1915–2004)
アイオワ州バーリントン生まれ。本名ハワード・ジョセフ・グスタフソン。16歳でシャム双生児のダンスツアーにピアニストとして同行するなど、若くして音楽の道へ。生涯に60曲以上を作ったが、「Fly Me to the Moon」一曲があまりにも大ヒットしたため、その収入だけで晩年を過ごしたという逸話が残る。コール・ポーターを理想とし、「シンプルな言葉で深い愛を語る」というスタイルを貫いた。1999年にソングライターの殿堂(Songwriters Hall of Fame)入り。