Jazz Standard — 1941
エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー
| 作詞 | Tom Adair(トム・アデア) |
|---|---|
| 作曲 | Matt Dennis(マット・デニス) |
| 制作年 | 1941年 |
| 初演 | トミー・ドーシー楽団の演奏でフランク・シナトラが歌唱、発表 |
| キー | ハ長調(C) |
| 拍子 | 4分の4拍子・32小節AABA形式 |
「Everything Happens to Me」は、1941年に作曲家マット・デニスと作詞家トム・アデアのコンビによって書かれた一曲です。当時トミー・ドーシー楽団の専属歌手だった若き日のフランク・シナトラが歌ったことで世に知られるようになりました。この曲の面白いところは、失恋の悲しみをまっすぐに歌うのではなく、「なぜかいつも自分にばかり悪いことが起こる」というユーモラスな自虐調で綴られている点です。飛行機に乗り遅れたり、賭け事に負けたりといった日常の不運を並べながら、実はその根底に恋の痛手がある——という洒落たセンスが、多くのジャズ・ミュージシャンに愛されてきた理由のひとつです。
歌の情景・意味
語り手は、まるで自分だけが悪運に見舞われているかのように、日常のちょっとした不運を次々と数え上げていきます。しかしよく聞いてみると、その根っこにあるのは実は失恋の痛みであり、表面的な自虐やユーモアの奥に、本当は深く傷ついている気持ちが見え隠れします。深刻になりすぎず、少し肩をすくめて笑い飛ばすような態度で悲しみと向き合う——そんな大人のさりげない強がりが、この曲の魅力です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
※上記は原曲の内容を踏まえたオリジナルの意訳・再構成であり、実際の歌詞の逐語訳ではありません。
キー:C 形式:AABA(32小節)
マイナー・トゥ・メジャーの往復が印象的で、自虐的なユーモアの裏にある、ほろ苦い感情の揺れを和声で表現しています。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:Cmaj7からAm7へと沈み込むように動く出だしは、明るい表情の裏にふと覗く寂しさを感じさせます。Em7からA7へ進むところは、笑いながらも本音がこぼれてしまう瞬間のようです。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:Fmaj7からFm7へと同主調的に色が変わる部分は、明るい話題からふと影が差すような、この曲ならではのユーモアと哀愁の同居を象徴する動きです。
Plays and Sings Matt Dennis
Matt Dennis(マット・デニス)
1953年録音
作曲家でもあるマット・デニスが、ピアノを弾きながら自作を歌ったライヴ。粋でくつろいだ弾き語りが楽しめます。
The Scene Changes
Bud Powell(バド・パウエル)
1958年 / Blue Note
「クレオパトラの夢」で知られる、パウエル後期の代表作。親しみやすく、情感豊かなピアノが楽しめます。
Sonny Rollins Vol.2
Sonny Rollins(ソニー・ロリンズ)
1957年 / Blue Note
J.J.ジョンソンやセロニアス・モンクらと録音したブルーノートの一枚。ロリンズの豪快なテナーが冴えます。
Out to Lunch!
Eric Dolphy(エリック・ドルフィー)
1964年 / Blue Note
ドルフィーの最高傑作と言われる一枚。先鋭的で自由な発想にあふれた、新主流派の名盤です。
Everything Happens to Me
Kirk Lightsey Trio with Chet Baker(カーク・ライトシー・トリオ with チェット・ベイカー)
1983年 / Timeless
カーク・ライトシーとベイカーの共演。この曲がタイトルになった、しみじみとした味わいの名盤です。
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Matt Dennis マット・デニス(1914–2002)
アメリカ・ロサンゼルス出身のピアニスト・作曲家・歌手。1940年代、トミー・ドーシー楽団の専属作曲家として活躍し、作詞家トム・アデアとのコンビで「Angel Eyes」「Let's Get Away from It All」など、数々のジャズ・スタンダードを世に送り出しました。自身もピアノを弾きながら歌うスタイルで知られ、洒脱でありながらどこか人生の苦みを感じさせる作風が持ち味です。「Everything Happens to Me」はそんな彼の作風を象徴する代表作のひとつです。