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Jazz Standard — 1953

Cry Me a River

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クライ・ミー・ア・リバー

作詞Arthur Hamilton(アーサー・ハミルトン)
作曲Arthur Hamilton(アーサー・ハミルトン)
制作年1953年(発表・ヒットは1955年)
初演もともと映画『ピート・ケリーズ・ブルース』(1955年)でエラ・フィッツジェラルドが歌う予定だったが本編ではカット。同年、ジュリー・ロンドンがデビュー・アルバム『Julie Is Her Name』で初録音し大ヒット。
キー変ホ短調(Ebm)を中心に、歌手の声域に応じて様々なキーで演奏される
拍子4拍子・ゆったりとしたブルース調のバラード。

「Cry Me a River(クライ・ミー・ア・リバー)」は、作詞・作曲ともにアーサー・ハミルトンが手がけた、1953年生まれのトーチソング(失恋の歌)です。もともとは映画『ピート・ケリーズ・ブルース』(1955年)でエラ・フィッツジェラルドが歌う予定でしたが、本編では使われずお蔵入りとなりました。その後、監督の元妻であり高校時代のハミルトンの同級生でもあったジュリー・ロンドンが、デビュー・アルバム『Julie Is Her Name』でこの曲を録音。ギターのバーニー・ケッセル、ベースのレイ・レザーウッドという最小限の伴奏だけで歌い上げたこの録音がビルボード誌9位のヒットとなり、2001年にはグラミー殿堂入り、2015年には米国議会図書館の全米録音資料保存登録簿にも選ばれました。以後、エラ・フィッツジェラルド自身による1961年の録音をはじめ、ジョー・コッカー、バーブラ・ストライサンド、レイ・チャールズなど、実に多彩な演奏家たちに歌い継がれています。

歌の情景・意味

歌の主人公は、かつて自分を傷つけて去っていった相手が、今になって「寂しい、辛い」と泣きついてくる様子を、静かな怒りと皮肉を込めて見つめています。「今さら涙を流すくらいなら、私が流した涙の分もまとめて流せばいい」――弱々しく泣き崩れるのではなく、毅然として相手を突き放す強さが、この歌の核心にあります。控えめな伴奏と抑えた歌い方だからこそ、その芯の強さがより際立つ、大人の女性像を描いた一曲です。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

So now you tell me you've been lonely, crying through the night,
But where were all those tears of yours when I was crying, out of sight?
Go on and let those tears fall now, I've got no more of my own to give,
I already cried enough oceans, for the both of us to live.
You say you're sorry now, but sorry came a little late,
So cry your own river now, and learn to carry your own weight.

キー:Ebm 形式:ブルース調のバラード
マイナーキーならではの陰影と、ブルースの香りが漂う、抑制の効いた進行です。

A セクション(冒頭)

Ebm
Fm7(♭5)
Bb7
Ebm
Abm7
Db7
Gbmaj7
Cm7(♭5)

▶ ポイント:Ebmの静かな響きから始まり、Fm7(♭5)・Bb7を経て、また元の暗さに戻ってくる――この「戻ってくる」感覚が、過去の痛みから逃れられない気持ちをそのまま音にしているようです。

B セクション(後半)

F7
Bbm7
Eb7
Abm
Fm7(♭5)
Bb7
Ebm
Bb7

▶ ポイント:F7からBbm7へと少しずつ緊張を高めていく部分です。感情を爆発させるのではなく、静かに、しかし確かな芯を持って相手を突き放す――そんな抑制の効いた強さを感じてみてください。

1

The Very Best of Julie London

Julie London(ジュリー・ロンドン)

編集盤

ハスキーで色っぽい歌声が魅力のジュリー・ロンドンのベスト盤。「クライ・ミー・ア・リヴァー」のヒットで知られます。

2

Ella Wishes You a Swinging Christmas

Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)

1960年 / Verve

エラがクリスマス・ソングを軽快にスウィングさせた人気作。華やかなビッグバンドと明るい歌声が楽しい一枚です。

3

After Hours with Miss D / For Those in Love

Dinah Washington(ダイナ・ワシントン)

1954〜55年 / EmArcy

ダイナ・ワシントンのジャズ寄りの2作品をまとめた一枚。ブルース仕込みの力強い歌声が光ります。

4

Ray Bryant Trio

Ray Bryant(レイ・ブライアント)

1957年 / Prestige

ブルースとゴスペルの香りが漂う、ブライアントの代表的なトリオ作。親しみやすく味わい深いピアノです。

5

Cry Me a River

Julie London(ジュリー・ロンドン)

編集盤

ジュリー・ロンドンのハスキーで色気のある歌声が、この曲を代表する決定的な名唱として知られています。

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Arthur Hamilton アーサー・ハミルトン(1926–2025)

アメリカ・シアトル生まれ、本名アーサー・ハミルトン・スターン。作曲家・編曲家の父を持ち、幼少期からピアノに親しみました。「Cry Me a River」のほか「He Needs Me」「Sing a Rainbow」などを手がけ、1970年には映画『マドロン』の主題歌でアカデミー歌曲賞にノミネートされています。米国作曲家・作詞家協会(SCL)の第2代会長も務めました。2025年、98歳で逝去。