Jazz Standard — 1960
コルコバード
| 作詞 | Antônio Carlos Jobim(原詞・ポルトガル語)/ Gene Lees(英語詞) |
|---|---|
| 作曲 | Antônio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン) |
| 制作年 | 1960年 |
| 初演 | 1960年、ジョアン・ジルベルトのアルバム『O Amor, o Sorriso e a Flor』で初録音(ポルトガル語)。1963〜64年の名盤『ゲッツ / ジルベルト』で世界的に広まった。 |
| キー | 変ホ長調(Eb) |
| 拍子 | 4拍子・ボサノヴァのリズム。落ち着いたテンポで奏でられる。 |
「Corcovado(コルコバード)」は、アントニオ・カルロス・ジョビンが1960年に発表したボサノヴァの名曲です。曲名は、リオデジャネイロを見下ろす名峰コルコバードの丘(頂上にはキリスト像「コルコバードのキリスト」が立つ)に由来します。ジョビン自身の言葉によれば、この丘に住み、いつも窓からその救世主像を眺めながら、素朴な暮らしを夢見る一人の男を描いた歌だといいます。1960年にジョアン・ジルベルトがポルトガル語で初録音した後、作詞家ジーン・リースが英語詞「Quiet Nights of Quiet Stars」を手がけたことで国際的にも知られるようになりました。1963〜64年に発表されたスタン・ゲッツ、ジョアン&アストラッド・ジルベルト、ジョビン共演の名盤『ゲッツ / ジルベルト』への収録により、世界中のジャズファンに愛される定番曲となりました。
歌の情景・意味
歌の主人公は、静かな夜、星空の下でひとり物思いにふけっています。ギターの穏やかな調べに乗せて、いつか訪れるであろう愛への憧れを、そっと胸の内で語りかけるように歌います。眼下に広がる街の灯りと、静寂に包まれた丘の上の暮らし――派手な言葉を使わずとも、シンプルな情景描写だけで深い抒情を醸し出す、ジョビンらしい詩情豊かな一曲です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Eb 形式:ボサノヴァらしい静かな流れ
メジャー7thとマイナー7thの柔らかな響きが行き交う、ジョビンならではの気品ある進行です。
A セクション(冒頭)
▶ ポイント:Ebmaj7の柔らかな響きから静かに始まり、少しずつ和音の色合いを変えながら流れていきます。難しく考えず、波が寄せては返すような、ゆったりとした呼吸を感じてみてください。
B セクション(中間部)
▶ ポイント:Abmaj7へ一時的に景色を移すことで、丘の上から夜空を見上げるような、少し視点が広がる感覚を生み出しています。そこから元の調へ戻る流れも、静かな安堵感に満ちています。
Getz/Gilberto
Stan Getz & João Gilberto(スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト)
1964年 / Verve
ゲッツとジルベルトによるボサノヴァの金字塔。この曲の静かな美しさを世界に広めた名盤です。
Sarah Vaughan (with Clifford Brown)
Sarah Vaughan(サラ・ヴォーン)
1954年 / EmArcy
クリフォード・ブラウンを迎えた、サラの最高傑作との呼び声も高い一枚。少人数の伴奏で、歌の魅力が際立ちます。
Sinatra/Jobim: The Complete Reprise Recordings
Frank Sinatra & Antonio Carlos Jobim(フランク・シナトラ&アントニオ・カルロス・ジョビン)
1967〜69年録音
シナトラがボサノヴァの作曲家ジョビンと組んだ録音の完全版。抑えた歌声がボサノヴァの穏やかさによく合います。
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Antônio Carlos Jobim アントニオ・カルロス・ジョビン(1927–1994)
ブラジル・リオデジャネイロ生まれの作曲家・ピアニスト。サンバとクールジャズを融合させ、「ボサノヴァの父」と呼ばれる存在となりました。「イパネマの娘」「デサフィナード」など数々の名曲を生み出し、ブラジル音楽を世界的なジャズのレパートリーへと押し上げた功績は計り知れません。