Jazz Standard — 1934
カクテル・フォー・トゥー
| 作詞 | Sam Coslow(サム・コスロー) |
|---|---|
| 作曲 | Arthur Johnston(アーサー・ジョンストン) |
| 制作年 | 1934年 |
| 初演 | 映画『殺人ヴァニティーズ(Murder at the Vanities)』(1934年・パラマウント)にてデンマーク出身の歌手カール・ブリソンが歌唱。 |
| キー | ヘ長調(F) |
| 拍子 | 4拍子・ゆったりとしたワルツ風のバラード。ヴァースとコーラスからなる構成。 |
「Cocktails for Two(カクテル・フォー・トゥー)」は、作詞サム・コスロー、作曲アーサー・ジョンストンのコンビが1934年に発表した一曲で、映画『殺人ヴァニティーズ』の劇中歌として生まれました。この年はアメリカで13年間続いた禁酒法がちょうど撤廃された直後にあたり、堂々とお酒を楽しめるようになった喜びを、洗練された恋の情景に重ねて歌っています。同年に録音されたデューク・エリントン楽団のインストゥルメンタル版は2007年にグラミー殿堂入りを果たした名演として知られる一方、1944年にスパイク・ジョーンズ楽団がコミカルな効果音付きで録音した奇想天外なパロディ版は全米チャート4位の大ヒットとなり、こちらの方が広く知られる結果となりました。作詞者のコスロー自身はこのパロディ版を快く思わなかったと伝えられていますが、印税収入は大きな恩恵をもたらしたそうです。
歌の情景・意味
歌の主人公は、大通りを見下ろす静かな隠れ家のような場所で、大切な人と二人きりの時間を過ごしています。他愛のないおしゃべりを交わしながら、たばこの煙がゆらめき、ナプキンの下でそっと手が触れ合う――そんな親密で洗練された午後のひとときを描いています。禁酒法が明けたばかりの当時、堂々とグラスを傾けられる喜びと、恋の高揚感とが重なり合った、大人の余裕を感じさせるラブソングです。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:F 形式:ヴァース+コーラス構成
ゆったりとしたテンポの中で、メジャーとマイナーの表情を行き来する、上品で落ち着いた進行です。
A セクション(コーラス冒頭)
▶ ポイント:Fmaj7の柔らかな響きから始まり、Dm7でわずかに翳りを帯び、また明るさを取り戻していく――グラスを傾けながら語り合う、寛いだ雰囲気そのものを表しているような進行です。
B セクション(サビ後半)
▶ ポイント:Bbへ一時的に場面を転換し、Bm7(♭5)のほろ苦さを挟むことで、甘さの中にほんの少し大人びた陰影を加えています。そこからFへ戻る安堵感が、二人だけの時間の心地よさを引き立てます。
Art Tatum Box Set
Art Tatum(アート・テイタム)
編集盤
テイタムの録音をまとめて楽しめるボックス・セット。ソロ・ピアノの頂点と言われる演奏を存分に味わえます。
Duke Ellington & John Coltrane
Duke Ellington & John Coltrane(デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン)
1962年 / Impulse!
世代の違う二人の巨匠が共演した名盤。エリントンの品格あるピアノに、コルトレーンが優しく寄り添います。
Rare Albums Collection
Zoot Sims(ズート・シムズ)
編集盤
温かく歌うようなテナーで愛されたズート・シムズの、入手しにくい作品をまとめた一組。軽やかなスウィングが魅力です。
Cocktails for Two
Duke Ellington(デューク・エリントン)
1934年録音 / 編集盤
エリントン楽団による1934年の代表的ヒット。グラミー殿堂入りを果たした軽妙な名演です。
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Arthur Johnston アーサー・ジョンストン(1898–1954)
アメリカの作曲家。1930年代、パラマウント映画のためにビング・クロスビー主演作を中心とした数々の楽曲を手がけました。作詞家サム・コスローとのコンビでは「Cocktails for Two」のほか「My Old Flame」など多くのヒット曲を生み出し、ハリウッド黄金期の映画音楽シーンを支えた作曲家の一人として知られています。