レコード・カセットテープの宅配買取 Bee Records

Jazz Standard — 1933

Carioca

お気に入り

カリオカ

作詞ガス・カーン/エドワード・エリスキュー(Gus Kahn / Edward Eliscu)
作曲ヴィンセント・ユーマンス(Vincent Youmans)
制作年1933年
初演映画『空中レヴュー時代(Flying Down to Rio)』にてエッタ・モーテンほかが歌唱、フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースがダンスを披露(1933年12月21日公開)
キーCメジャー
拍子4/4拍子・AABA形式(32小節)・アップテンポ

「Carioca(カリオカ)」は、1933年公開のRKO映画『空中レヴュー時代(Flying Down to Rio)』のために書かれた楽曲です。作曲はヴィンセント・ユーマンス、作詞はエドワード・エリスキューとガス・カーンが担当し、映画の中ではアリス・ジェントル、モヴィータ・カスタネダ、エッタ・モーテンが歌い、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが壮大なダンスシーンで踊りました。このシーンは映画史において特別な意味を持ちます。アステアとロジャースがスクリーンで初めて共にダンスを踊った場面だったからです。当時二人は5番目・6番目の出演者として脇役扱いでしたが、多くの観客が主演よりも二人のほうが映画を引き立てていると感じ、映画はRKOにとって大ヒットとなりました。ダンスの振り付けには独特の特徴があり、パートナー同士がおでこをくっつけて踊るという趣向が盛り込まれていました。曲名の「カリオカ」とはリオデジャネイロ出身の人や、そこに由来するものを指すポルトガル語です。第7回アカデミー賞では新設されたばかりの主題歌賞にノミネートされ、翌年の同賞受賞作「ザ・コンチネンタル」と最後まで争いました。

歌の情景・意味

この歌は、「カリオカ」という新しいダンスを紹介し、その魅力を伝えるために書かれた曲です。「見たことがありますか、このカリオカを?フォックストロットでもポルカでもない、ちょっと変わったリズムで、ため息をつくような青い(ブルーな)調べを持っている」と語りかけながら、ダンスの軽やかな魅力を説明します。二人がおでこをくっつけて踊る独特のスタイルを「二つの頭が一緒になると、一つより良いという。二つの頭が一緒になる、それがこのダンスの始まり方」とユーモラスに表現しています。ひとたびカリオカを踊れば、もうポルカには戻れない――そんな、新しいダンスへの熱狂と、そこで芽生えるロマンスへの期待感に満ちた、明るく弾む一曲です。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

Say, have you seen the Carioca?
It's not a foxtrot or a polka
It has a little bit of new rhythm, a blue rhythm that sighs
It has a meter that is tricky, a bit of wicked wacky-wicky
But when you dance it with a new love, there'll be true love in her eyes
You'll dream of the new Carioca, its theme is a kiss and a sigh
You'll dream of the new Carioca, when music and lights are gone and we're saying goodbye
Two heads together, they say, are better than one
Two heads together, that's how the dance is begun
Two arms around you and lips that sigh, "I am yours and you are mine"
Now that you've done the Carioca, you'll never care to do the Polka

キー:Cメジャー 形式:AABA(32小節)
1930年代のブロードウェイ・映画音楽らしい、明快で華やかなコード進行が特徴です。ブラジルのリズムを意識した軽快な跳ねるような感覚と、アメリカン・ポップスの洗練されたハーモニーが融合しています。

A セクション(1〜8小節)

Cmaj7
Am7
Dm7
G7
Cmaj7
C7
Fmaj7
G7

▶ ポイント:「Cmaj7 → Am7 → Dm7 → G7」という流れは、ジャズで最もよく使われる「ツーファイブワン」を含む進行で、次のコードへ向かって自然に引き寄せられる安心感があります。「見たことがありますか、このカリオカを?」と新しいダンスを紹介する歌詞の出だしに、明るく弾むような躍動感を与えています。

B セクション(ブリッジ)

A7
A7
Dm7
Dm7
D7
D7
G7
G7

▶ ポイント:ブリッジで登場する「A7 → Dm7」は「セカンダリー・ドミナント」と呼ばれる技法で、いったん違う調の方向へ踏み出すような、期待感を高める響きを持っています。「二つの頭が合わさると、一つより良いという」という、ユーモラスで可愛らしい歌詞の場面と重なり、音楽全体にわくわくするような高揚感を加えています。

1

Ginger & Fred

Fred Astaire & Ginger Rogers(フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャース)

1930年代録音・編集盤

映画で名コンビを組んだ二人の歌を集めた作品集。ハリウッド黄金期の華やかなミュージカルの空気が味わえます。

2

Flying Down to Rio and Carefree

Fred Astaire, Ginger Rogers(フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース)

1933年映画音楽 / 編集盤

アステアとロジャースが華麗に踊った映画音楽。1930年代の華やかな雰囲気を今に伝える一枚です。

名盤を聴き放題で楽しむなら

Amazon Music Unlimitedなら、ジャズの名盤を定額で聴き放題。

無料体験をチェックする

名盤・名演のリンクはAmazonアソシエイト・リンクです。
Amazonのアソシエイトとして、ジャズ・スタンダード事典は適格販売により収入を得ています。

Vincent Youmans ヴィンセント・ユーマンス(1898–1946)

ニューヨーク出身の作曲家。1920年代のブロードウェイ・ミュージカルで頭角を現し、「Tea for Two」「I Want to Be Happy」など数々の名曲を書いたアメリカン・ポピュラー音楽の重要人物のひとりです。1933年の映画『空中レヴュー時代』に書いた「Carioca」がアカデミー主題歌賞にノミネートされるなど、映画音楽でも活躍しました。惜しくも1946年に結核のため47歳で没しましたが、残した作品は今も多くのジャズ・ミュージシャンたちに愛されています。