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Jazz Standard — 1944

Candy

お気に入り

キャンディ

作詞マック・デイヴィッド/ジョアン・ホイットニー(Mack David / Joan Whitney)
作曲アレックス・クレイマー(Alex Kramer)
制作年1944年
初演ジョニー・マーサー、ジョー・スタッフォード、ザ・パイド・パイパーズによる録音(1944年、Capitol Records)
キーFメジャー
拍子4/4拍子・32小節AABA形式・ミディアム・スウィング

「Candy」は、1944年にカナダ出身のピアニスト・作曲家アレックス・クレイマーが、妻でありビッグバンド歌手でもあったジョアン・ホイットニー、そして作詞家マック・デイヴィッドとともに書いた甘いスウィング・バラードです。ジョニー・マーサーとザ・パイド・パイパーズ、そしてジョー・スタッフォードによる Capitol Records の録音は、1945年2月にビルボード誌のベストセラーチャートに初登場し、15週にわたってチャートに居座り、最高位第2位を記録しました。同年、チャート第7位を含む「1945年ヒット曲名誉ランキング」にも選ばれ、ジュークボックスでも特に人気を博し、なんと6種類もの録音が同時にリクエストされたと伝えられています。1956年にはブルース歌手ビッグ・メイベルがR&Bチャートでヒットさせた録音がグラミー殿堂賞を受賞しています。後年、マンハッタン・トランスファーやルー・ドナルドソンといったジャズ・ミュージシャンたちにも取り上げられ、スウィング時代の愛らしいスタンダードとして長く親しまれています。

歌の情景・意味

この歌は、愛する人のことを「キャンディ(砂糖菓子)」と呼んで親しむ、甘くて愛らしい恋愛の歌です。「私があなたを『キャンディ』と呼ぶのは、私がキャンディに夢中で、キャンディも私に夢中だから」――そんな、語呂合わせを楽しんだ洒落た歌詞が特徴です。彼女(または彼)は私のことをよく理解してくれて、慰めが必要なときにはいつもそばにいてくれる。できることなら4人いてほしいくらい、もっとたくさん愛したい――という、コミカルで可愛らしい大げさな表現も登場します。曲名の「キャンディ」には、甘い恋人という意味と、文字通りの砂糖菓子という二重の意味が込められており、戦時中の暗い世相の中にあって、聴く人の心を和ませた陽気な一曲です。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

Some say that love is sweet as a rose
Some say it's honey and the bee
Well sit right down and let me tell you what my love is to me
"Candy", I call my sugar "Candy"
Because I'm sweet on "Candy" and "Candy's" sweet on me
She understands me, my understanding "Candy"
And "Candy's" always handy when I need sympathy
I wish that there were four of her, so I could love much more of her
She has taken my complete heart, got a sweet tooth for my sweetheart
"Candy", it's gonna be just dandy
The day I take my "Candy" and make her mine all mine

キー:Fメジャー 形式:AABA(32小節)
ティン・パン・アレー時代らしい、流れるように心地よいコード進行が特徴です。随所に現れるセカンダリー・ドミナント(一時的な経過コード)が、甘く弾むような曲調を支えています。

A セクション(1〜8小節)

Fmaj7
Gm7
C7
Fmaj7
Fmaj7
A7
Dm7
G7 — C7

▶ ポイント:「Gm7 → C7 → Fmaj7」という動きは、いわゆる「ツーファイブワン」と呼ばれる、ジャズで最もよく使われる進行です。次のコードへと自然に引き寄せられるような、心地よい解決感があります。「私がキャンディに夢中、キャンディも私に夢中」というやり取りのような歌詞の弾みと、音楽的に響き合っています。

B セクション(ブリッジ)

B♭maj7
Bdim7
Fmaj7
D7
Gm7
C7
Fmaj7
C7

▶ ポイント:ブリッジ2小節目の「Bdim7(Bディミニッシュ)」は、半音ずつ動く不思議な響きのコードで、一瞬だけ曲に緊張感を持ち込みます。「あの子が4人いたらいいのに」という、少しユーモラスな大げさな歌詞の場面にぴったりの、ちょっとした驚きの色彩を添えています。

1

Candy

Lee Morgan(リー・モーガン)

1958年 / Blue Note

19歳のリー・モーガンが、ワン・ホーンで伸び伸びと吹いた名盤。若さあふれる輝かしいトランペットが楽しめます。

2

Chet Baker Sings

Chet Baker(チェット・ベイカー)

1954〜56年 / Pacific Jazz

中性的で柔らかな歌声とトランペットで、多くのファンを生んだ代表作。気だるく甘い空気が全編を包みます。

3

Jo's Greatest Hits

Jo Stafford(ジョー・スタッフォード)

編集盤

1940〜50年代に数々のヒットを放った歌姫のベスト盤。端正で品のある歌声が、懐かしいポップスの魅力を伝えます。

4

The Manhattan Transfer

The Manhattan Transfer(マンハッタン・トランスファー)

1975年 / Atlantic

古き良きジャズやポップスを、4声の華やかなコーラスでよみがえらせた出世作。洒落たハーモニーが光ります。

5

Candy

Jo Stafford(ジョー・スタッフォード)

1944年 / Capitol

ジョー・スタッフォードの甘く柔らかな歌声が、この曲本来の可愛らしさを丁寧に表現しています。

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Alex Kramer アレックス・クレイマー(1903–1998)

カナダ・モントリオール出身のピアニスト・指揮者・作曲家。マギル音楽院で音楽を学んだ後、ラジオ・オーケストラの指揮者や声楽コーチとして活動し、やがてニューヨークへ渡りました。ビッグバンド歌手のジョアン・ホイットニーと結婚し、二人で「Far Away Places」「There's Nobody Here but Us Chickens」「Love Somebody」など100曲以上の楽曲を共作しました。「Candy」はその中でも最大のヒット作として知られています。