Jazz Standard — 1930
バイ・バイ・ブルース
| 作詞 | バート・ロウン/チョーンシー・グレイ(Bert Lown / Chauncey Gray) |
|---|---|
| 作曲 | フレッド・ハム/デイヴ・ベネット(Fred Hamm / Dave Bennett) |
| 制作年 | 1925年(原曲)/1930年(現行歌詞版) |
| 初演 | バート・ロウン楽団による録音(1930年、コロンビア) |
| キー | Fメジャー |
| 拍子 | 4/4拍子・32小節AABA形式・ミディアム・スウィング |
「Bye Bye Blues」は、もともと1925年にバンドリーダーのフレッド・ハムとピアニストのデイヴ・ベネットによって作られた曲ですが、当時はそれほど注目を集めませんでした。1930年、バンドリーダーのバート・ロウンと作曲家チョーンシー・グレイが新たに加わり、ヴァース(前奏部分)とコーラス(サビ)の歌詞を一新したことで、この曲は大きく生まれ変わります。同年、バート・ロウン楽団がコロンビア・レコードに録音すると人気に火がつき、わずか1年の間に少なくとも6種類もの録音が続けて発表されました。ルイ・アームストロングをはじめ多くのミュージシャンに取り上げられ、1952年にはギタリストのレス・ポールと歌手メリー・フォードによる夫婦デュオの録音が、全米チャートで第5位を記録する大ヒットとなりました。曲名の通り、暗い気持ちに「さようなら」を告げ、明るい未来を迎えようという、軽快で前向きなメッセージを持つ一曲です。
歌の情景・意味
この歌は、ある人の笑顔に出会ったことで、それまでの憂鬱な気持ちがすっかり消え去ってしまった――そんな喜びを歌っています。「あなたが微笑むのを見たとき、思いがけない驚きを感じた。まさかこんなことが起こるなんて、夢にも思わなかった」と主人公は語ります。鐘が鳴り、鳥がさえずり、太陽が輝く――そんな明るい情景とともに、もう悲しみに沈むことはない、二人一緒なら笑って乗り越えていける、というメッセージが繰り返されます。ため息も涙も必要ない、ただ前を向いて歩いていこう――そんな、シンプルでまっすぐな幸福感に満ちた一曲です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:Fメジャー 形式:AABA(32小節)
1920〜30年代らしい、明快で歌いやすいコード進行が特徴です。シンプルながらも、随所にセカンダリー・ドミナント(一時的な経過のドミナントコード)が使われ、軽やかな彩りを加えています。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:「Fmaj7 → D7」という出だしの動きは、いったん別の調へ向かおうとするような、ちょっとした驚きの響きを持っています。これは「あなたが微笑むのを見て、大きな驚きを感じた」という歌詞の出だしと、見事に呼応しています。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジ冒頭の「B♭maj7」は、サブドミナントと呼ばれる、ほっと一息つくような穏やかな響きのコードです。「鐘が鳴り、鳥がさえずり、太陽が輝く」という明るい情景描写に、温かみのある安心感を添えています。
Bye Bye Blues: Les and Mary
Les Paul & Mary Ford(レス・ポール&メリー・フォード)
編集盤
レス・ポールのギターとメリー・フォードの歌声が織りなす、軽快で親しみやすい名演です。
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Bert Lown バート・ロウン(1903–1962)
アメリカ・ニューヨーク州ホワイトプレインズ出身のバンドリーダー・ヴァイオリニスト。ニューヨークのビルトモア・ホテルを拠点とする自身の楽団を率い、1930年代のラジオ放送やダンスホールで人気を博しました。「Bye Bye Blues」のテーマソングとともに知られ、軽快で親しみやすいダンス音楽のスタイルによって、当時の社交界に欠かせない存在となりました。