Jazz Standard — 1945
枯葉 / Les Feuilles Mortes(レ・フォイユ・モルト)
| 作詞(仏語) | Jacques Prévert(ジャック・プレヴェール) |
|---|---|
| 作詞(英語) | Johnny Mercer(ジョニー・マーサー) |
| 作曲 | Joseph Kosma(ジョゼフ・コスマ) |
| 制作年 | 1945年(フランス語原曲)/ 英語詞:1947年 |
| 初演 | 映画『夜の門』(Les Portes de la Nuit, 1946年)/ Yves Montand(イヴ・モンタン)が歌い有名に |
| キー | G minor(ト短調)※ジャズでは B♭ major / G minor 両方で演奏される |
| 拍子 | 4/4拍子 32小節(AABA形式) |
「枯葉」は、フランスの詩人ジャック・プレヴェールが詞を書き、ハンガリー出身の作曲家ジョゼフ・コスマが曲をつけた、20世紀を代表するシャンソンです。1945年にバレエ音楽として生まれ、翌年の映画『夜の門』でイヴ・モンタンが歌って一躍世界に広まりました。1947年にジョニー・マーサーが英語詞をつけ「Autumn Leaves」として発表すると、ジャズのスタンダード曲として世界中のミュージシャンに愛されるようになります。マイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンス、カノンボール・アダレイらによる名演が次々と生まれ、特に1958年録音の『Somethin' Else』収録バージョンは今なお世界最高のジャズ録音のひとつとして語り継がれています。秋になると世界のどこかで必ず演奏される、永遠の名曲です。
歌の情景・意味
秋風に舞う枯葉のように、過ぎ去った日々と失われた愛の記憶が胸によみがえる——それがこの歌の情景です。「枯れ葉が手のひらに積もるように、あなたの思い出も重なっていく」という英語詞のジョニー・マーサーは、フランス語原詩の哀愁と美しさをそのまま英語に移し替えました。
「君は夏を愛し、僕は秋が好きだった。でも人生は、愛した人たちを静かに連れ去っていく」——別れた恋人への思いを、落ち葉が風に散るという自然の情景に重ねた詩は、年を重ねるほどに胸に染みます。失った愛を嘆きながらも、その記憶を大切に抱きしめようとする、成熟した大人の歌です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:G minor(ト短調) 形式:AABA(各セクション8小節、計32小節)
「Fly Me to the Moon」と同様、サークル・オブ・フィフス(5度圏)を下っていく進行が軸です。短調のため、明るい「Fly Me to the Moon」とは対照的な哀愁ある響きが生まれます。ジャズを学ぶ人が最初に覚えるべき「教科書的なコード進行」として、世界中の音楽学校で教えられています。
A セクション(1〜8小節)— 3回繰り返し
▶ ポイント:Cm→F→B♭→E♭と5度ずつ下がり、Am7♭5→D7→Gm で短調の「家」に帰ってきます。この最後の Am7♭5→D7→Gm が「短調のII-V-I」と呼ばれる進行で、哀愁の正体はここにあります。
B セクション(ブリッジ)(17〜24小節)— 1回のみ
▶ ポイント:ブリッジはAセクションとほぼ同じコードを逆順で使います。「行って帰ってくる」構造が、失われた愛への往復する思いと重なるようです。
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Joseph Kosma ジョゼフ・コスマ(1905–1969)
ハンガリーのブダペスト生まれ。ユダヤ系の家庭に育ち、ブダペスト音楽院でバルトーク・ベーラに師事。1933年にナチスの迫害を逃れてパリへ亡命し、フランスで映画音楽・シャンソン作曲家として活躍。詩人ジャック・プレヴェールと組んだ「枯葉」のほか、映画『悪魔が夜来る』など多くの名作を残した。戦時中はユダヤ人であることを隠して創作活動を続けるという過酷な状況のなかで「枯葉」が生まれたことを知ると、この曲の哀愁の深さがより一層心に響いてくる。