Jazz Standard — 1955
オーライ・オーケー・ユー・ウィン
| 作詞 | Mayme Watts(メイミー・ワッツ) |
|---|---|
| 作曲 | Sid Wyche(シド・ワイチ) |
| 制作年 | 1955年 |
| 初演 | 1955年、まずエラ・ジョンソンが録音。同年、カウント・ベイシー楽団がジョー・ウィリアムスの歌唱で録音し、こちらが決定的な人気を獲得した |
| キー | F major(楽譜原調) |
| 拍子 | 4/4拍子・ブルース感の強いスウィング・チューン |
「Alright, Okay, You Win」は1955年、作曲家シド・ワイチと作詞家メイミー・ワッツによって生み出された一曲です。同年、まず歌手エラ・ジョンソンによって録音されましたが、当時は全国的なヒットチャートには入りませんでした。しかし同じ年、カウント・ベイシー楽団が専属歌手ジョー・ウィリアムスを起用して録音すると、たちまち評判を呼び、この曲を代表する決定的な演奏として知られるようになります。ブルースの香りを強く感じさせるスウィング・チューンで、ソリストの掛け声にバンド全体が呼応する「コール・アンド・レスポンス」の手法が効果的に使われているのも特徴です。1958年にはペギー・リーのレコーディングがビルボード・ホット100にもランクインし、その後も数多くのジャズシンガーやビッグバンドに歌い継がれ、今日ではスウィング系ジャズスタンダードの定番として親しまれています。
歌の情景・意味
歌の主人公は、恋人との小さな喧嘩や言い争いの末に、ついに「もういいよ、わかった、君の勝ちだ」と白旗を上げます。最初は自分の意見を通そうと頑張っていたものの、相手の魅力にはとても抗えず、結局は折れてしまうというユーモラスな内容です。怒りや悲しみではなく、むしろ茶目っ気のある余裕とともに「参った、参った」と笑いながら認めるような、軽快で愛らしい歌詞が魅力です。恋人同士のじゃれ合いや、ちょっとした駆け引きの末にたどり着く仲直りの場面が、ブルージーなスウィングのリズムに乗せて、明るく軽やかに描かれています。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
第1コーラス
第2コーラス
ブリッジ
第3コーラス
キー:F major 形式:ブルース進行をベースにしたAABA的な構成
典型的なブルース進行に近く、力強いスウィング感とコール・アンド・レスポンスがしやすい作りになっています。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:F7とBb7を行き来する、いかにもブルースらしい骨太な進行です。Joe Williamsの歌唱でも、この単純で力強い和音進行がコール・アンド・レスポンスを盛り上げる土台になっています。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジでもブルース的な響きは保たれつつ、「君は去っていって…」という歌詞の切なさに合わせてGm7から始まることで、わずかに違う色合いが加わります。最後はC7で締めて、再びAセクションへ戻る勢いを生み出します。
Count Basie Swings And Joe Williams Sings
Count Basie & Joe Williams(カウント・ベイシー&ジョー・ウィリアムス)
1955年 / Clef/Verve
ベイシー楽団の力強いスウィングに乗せて、ウィリアムスが余裕たっぷりに歌う、聴いていて楽しくなる一枚です。
Things Are Swinging
Peggy Lee(ペギー・リー)
1958年 / Capitol
ペギー・リーがスウィングの効いた曲を集めて歌ったアルバム。軽快なビッグバンドに乗った、洒落た歌い回しが楽しめます。
Sunshine of Your Love
Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)
1969年 / MPS
ロック曲も取り上げた、60年代末のエラのライブ作品。ジャンルを問わず自分の歌にしてしまう、エラの懐の深さがよくわかります。
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Sid Wyche シド・ワイチ(1922–1980頃)
シド・ワイチはアメリカの作曲家・サクソフォン奏者で、リズム&ブルースやジャズの分野で活動しました。作詞家メイミー・ワッツとともに手がけた「Alright, Okay, You Win」は、当初はそれほど注目されませんでしたが、カウント・ベイシー楽団による録音によって一気に脚光を浴び、ワイチの代表作として今日まで知られるようになりました。ブルースの語法を生かした親しみやすい作風が持ち味の作曲家です。