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Jazz Standard — 1932

Alone Together

お気に入り

アローン・トゥギャザー

作詞Howard Dietz(ハワード・ディーツ)
作曲Arthur Schwartz(アーサー・シュワルツ)
制作年1932年
初演1932年、ブロードウェイ・レヴュー『Flying Colors』にて、ジーン・サージェントが歌唱。クリフトン・ウェッブとタマラ・ゲヴァによるダンスとともに初披露された
キーD minor(楽譜原調)
拍子4/4拍子・AABA形式・マイナー調が印象的な32小節

「Alone Together」は1932年、ブロードウェイ・レヴュー『Flying Colors』の中で生まれた一曲です。作曲はアーサー・シュワルツ、作詞はハワード・ディーツという、当時数々のミュージカルで名コンビとして活躍した二人による作品でした。初演では歌手ジーン・サージェントが歌い上げた後、クリフトン・ウェッブとタマラ・ゲヴァという二人のダンサーが、孤独と不安をテーマにした幻想的なダンスを披露し、舞台に深い余韻を残しました。マイナー調の旋律が醸し出す物悲しさと、そこに織り込まれた一筋の希望が同居する曲調が高く評価され、すぐにヒットとなりました。1939年にアーティ・ショウが演奏したのを皮切りに、数多くのジャズミュージシャンに取り上げられ、シュワルツとディーツの作品の中でも最も愛されるジャズスタンダードのひとつとなっています。

歌の情景・意味

この歌は、二人だけの世界に身を置く恋人たちの心情を描いています。世間から少し離れ、まるで嵐の中にいるかのような不安な夜を過ごしながらも、「二人一緒なら、何も恐れることはない」と語りかけます。タイトルの「Alone Together(二人だけで、ひとつになって)」という言葉には、一見矛盾するような響きがありますが、それはむしろ「世界に背を向けて二人きりでいることで、かえって心強くなれる」という逆説的な愛のかたちを表しています。荒れた天候や先の見えない未知の世界も、互いがそばにいる限り乗り越えられるのだという、静かで深い信頼と覚悟が、マイナー調の切ない旋律に乗せて歌われています。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

A セクション(1)

Just to be in this world alongside you
Is reason enough for me to carry on
The storms outside may rage through the night
But here with you, I know I'll be alright

A セクション(2)

We may have no one else to call our own
No friendly voice to ease this fear I've known
But side by side, we'll find our way somehow
For we are not alone, we're together now

B セクション(ブリッジ)

Our love runs as deep as any ocean
As vast and as true as love can be
And we can face whatever lies before us
If we hold on, just you and me

A セクション(3)

So let the world go spinning on without us
We've found a quiet corner all our own
Apart from everyone who's ever doubted
We're not alone — we're alone together

キー:D minor 形式:AABA(32小節)
マイナー調の哀愁を帯びた進行が特徴で、ブリッジで一時的に長調へと色合いが変わるのが大きな聴きどころです。

A セクション(1〜8小節)

Dm7
Gm7
A7
Dm7
Bbmaj7
Em7b5
A7
Dm7

▶ ポイント:冒頭のDm7(短調のトニック)から始まり、影のあるムードを作ります。Em7b5という少し緊張感のある和音を経てA7へ進むことで、不安げな雰囲気がより際立ちます。

B セクション(ブリッジ)

Fmaj7
Em7b5
A7
Dm7
Gm7
C7
Fmaj7
Em7b5 A7

▶ ポイント:ブリッジの冒頭でFmaj7(短調から見た明るい響き)に切り替わるのが印象的です。「私たちの愛は海ほど深く」という歌詞の高揚感に合わせて、ほんの少し光が差すような響きへと変化します。

1

Alone Together

Tony Bennett(トニー・ベネット)

1960年 / Columbia

トニー・ベネットがバラードを中心に歌い上げたアルバム。豊かなオーケストラを背に、張りのある歌声で曲のドラマを描き出しています。

2

Midnight Mood

Mark Murphy(マーク・マーフィー)

1967年 / MPS

ヨーロッパに拠点を移していたマーク・マーフィーが、ドイツで録音した人気作。自在なフレージングとクールな歌声が光ります。

3

Modern Art

Art Pepper(アート・ペッパー)

1957年 / Intro

アート・ペッパーの全盛期を代表するワンホーン作品。哀愁を帯びたアルトの音色が、この曲の翳りのあるメロディとよく響き合います。

4

In Europe

Eric Dolphy(エリック・ドルフィー)

1961年 / Prestige

ドルフィーがヨーロッパ・ツアー中に現地のミュージシャンと残したライブ録音。自由で鋭いアドリブが、スタンダードを大胆に塗り替えます。

5

Alone Together

Chet Baker & Bill Evans(チェット・ベイカー&ビル・エヴァンス)

1958年 / Riverside系

ベイカーの繊細なトランペットとエヴァンスのピアノが寄り添う、孤独の中の親密さを描いた美しい共演盤です。

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Arthur Schwartz アーサー・シュワルツ(1900–1984)

アーサー・シュワルツはニューヨーク出身の作曲家で、もともとは弁護士として働いていましたが、やがて作曲家への転身を果たしました。作詞家ハワード・ディーツとの黄金コンビは、1920年代から30年代にかけて数々のブロードウェイ・レヴューを手がけ、「Dancing in the Dark」や「You and the Night and the Music」など、洗練された都会的なラブソングを数多く生み出しました。「Alone Together」はその中でも特に演奏家たちに愛され、ジャズスタンダードとして今日まで歌い継がれている代表作です。