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Jazz Standard — 1957

All The Way

お気に入り

オール・ザ・ウェイ

作詞Sammy Cahn(サミー・カーン)
作曲Jimmy Van Heusen(ジミー・ヴァン・ヒューゼン)
制作年1957年
初演映画『ジョーカーはワイルド』(The Joker Is Wild)でフランク・シナトラが歌い、アカデミー賞主題歌賞を受賞
キーC長調(ハ長調)
拍子4/4拍子・32小節・AABA形式

「オール・ザ・ウェイ」は1957年、作曲家ジミー・ヴァン・ヒューゼンと名作詞家サミー・カーンのコンビによって生み出されたラブ・バラードです。映画『ジョーカーはワイルド』のために書かれ、フランク・シナトラが歌ったこの曲は翌年のアカデミー賞で主題歌賞に輝きました。シナトラにとってはライフワークとも言える一曲となり、コンサートでも繰り返し歌い続けました。「どこまでも、すべてを尽くして愛する」という揺るぎない愛の誓いを、ゆったりとした旋律に乗せて歌うこの曲は、時代を超えて多くの歌手に歌い継がれ、ジャズ・スタンダードとして確固たる地位を占めています。シンプルながら奥深いメロディーラインは、歌い手の表現力を存分に引き出し、ベテランのジャズ歌手たちが好んで取り上げる名曲です。

歌の情景・意味

愛する人への、全身全霊を込めた愛の告白の歌です。「どれほど遠い道のりでも、どれほど高い山でも、あなたのためならすべて越えていける」——そんな無条件の献身と深い愛情が、静かに、しかし力強く語られます。歌詞に登場するのは壮大な風景ではなく、ただひとりの人を思う心の深さ。秋の葉が落ちる季節も、春が来て花が咲く季節も、変わらず「あなただけを愛している」と歌うその言葉には、歳を重ねた大人の愛の誠実さがにじんでいます。派手さはなく、ただ真摯に「どこまでも一緒にいる」と誓うこの歌は、長い人生の伴侶への感謝と愛情を表すのにこれ以上ない言葉を持っています。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

When somebody loves you,
it's no good unless he loves you all the way.
Happy to be near you,
when you need someone to cheer you all the way.
Taller than the tallest tree is,
that's how it's got to feel.
Deeper than the deep blue sea is,
that's how deep it goes, if it's real.
When somebody needs you,
it's no good unless he needs you all the way.
Through the good or lean years,
and for all the in between years, come what may.
Who knows where the road will lead us,
only a fool would say.
But if you'll let me love you,
it's for sure I'm gonna love you all the way.
All the way.

キー:C長調 形式:AABA・32小節
シンプルなダイアトニックの流れを基本としながら、Bセクション(ブリッジ)でⅢ→Ⅵ→Ⅱ→Ⅴと一時転調するのが特徴。バラードらしく豊かな和音が続き、初心者にも親しみやすい進行です。

A セクション(1〜8小節)

C △7
C △7
Am7
Am7
Dm7
G7
C △7
C △7

▶ ポイント:最初のAセクションはハ長調のトニック(C)から始まり、Am7(Ⅵm)、Dm7(Ⅱm)、G7(Ⅴ7)と流れます。「ドミナント→トニック」の自然な解決感が、曲の落ち着いた温かさを生み出しています。ゆったりしたテンポで弾くと、バラードらしい余韻が出ます。

B セクション(ブリッジ・17〜24小節)

E7
E7
Am7
Am7
D7
D7
Dm7
G7

▶ ポイント:ブリッジでは突然E7(Ⅲ7)が登場し、Aマイナーへの一時転調が起こります。続くD7もハ長調の外の和音で、ここが曲の中で最も色彩感豊かな部分です。「Who knows where the road will lead us」という歌詞の「先が見えない」感覚を、和声が巧みに表現しています。

ラスト A セクション(25〜32小節)

C △7
Am7
Dm7
G7
C △7
F △7
Dm7
G7 → C

▶ ポイント:最後のAセクションはFmaj7(Ⅳ)を経由して締めくくります。「all the way」という最後の言葉でトニックに戻る安心感が、曲の誓いの言葉に説得力を与えています。

1

All the Way

Frank Sinatra(フランク・シナトラ)

1961年 / Capitol

シナトラが円熟期に歌い上げる、揺るぎない愛の讃歌。オーケストラの豊かな響きも聴きどころです。

2

Last Recording

Billie Holiday(ビリー・ホリデイ)

1959年 / MGM

亡くなる数か月前、レイ・エリス編曲のオーケストラと吹き込んだ最後のアルバム。衰えを隠さない声に宿る深い情感が、変わらぬ愛を誓う歌に重みを与えています。

3

Love Letters

Julie London(ジュリー・ロンドン)

1962年 / Liberty

ささやくようなハスキーヴォイスで知られるジュリー・ロンドンのバラード集。耳元で語りかけるような親密な歌い口が、ロマンティックな歌詞によく映えます。

4

Candy

Lee Morgan(リー・モーガン)

1958年 / Blue Note

リー・モーガンが唯一ワンホーン・カルテットで残した作品。10代とは思えない艶やかなトランペットで、歌ものの旋律を瑞々しく歌い上げています。

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Jimmy Van Heusen ジミー・ヴァン・ヒューゼン(1913–1990)

ニューヨーク州シラキュース出身の作曲家。本名はエドワード・チェスター・バブコック。フランク・シナトラの「お抱え作曲家」として知られ、シナトラの主要レパートリーの多くを手掛けた。作詞家サミー・カーンとのコンビで生み出した楽曲は数多く、「All The Way」(1958年)、「Call Me Irresponsible」(1963年)、「September of My Years」(1965年)など4度のアカデミー賞主題歌賞を受賞した。流れるようなメロディーと自然な歌いやすさが特徴で、バラードからスウィングまで幅広いスタイルに対応した名曲を残した。