レコード・カセットテープの宅配買取 Bee Records

Jazz Standard — 1951

Alice in Wonderland

お気に入り

アリス・イン・ワンダーランド

作詞Bob Hilliard(ボブ・ヒリアード)
作曲Sammy Fain(サミー・フェイン)
制作年1951年
初演ディズニー映画『ふしぎの国のアリス』(1951年)挿入歌。映画公開後にジャズミュージシャンによる演奏が相次いだ。
キーC長調(ジャズ演奏では移調されることも多い)
拍子3/4拍子(ワルツ) 32小節 AABA形式

「アリス・イン・ワンダーランド」は、1951年公開のディズニーアニメ映画『ふしぎの国のアリス』のために、作曲家サミー・フェインと作詞家ボブ・ヒリアードが書いたワルツ曲です。映画の公開直後から多くのジャズミュージシャンが取り上げ、スタンダードナンバーとして定着しました。とりわけ1962年のビル・エヴァンス・トリオによる録音が名高く、独特の叙情性とハーモニーの美しさで、ジャズ史に燦然と輝く名演として語り継がれています。3拍子のリズムが生む夢幻的な揺らぎは、不思議の国を探し求める少女の好奇心とぴったり重なります。歌詞のシンプルさと旋律の品の良さが相まって、ボーカル曲としてもインストゥルメンタル曲としても愛される一曲です。

歌の情景・意味

歌い手は、まるでアリスのように「もし私が不思議の国に住んでいたなら」と夢想します。白うさぎを追いかけ、赤いバラを白く塗り替え、チェシャ猫と話し、ハートの女王と踊る——そんな現実を超えた夢の世界への憧れが、静かで優しいワルツの旋律に乗って語られます。歌全体を貫くのは「夢見ることの喜び」であり、大人になっても胸の奥に残る子どもの頃の無垢な想像力への賛歌です。どこか切なく、どこか微笑ましい——そのアンビバレンスこそが、ジャズミュージシャンたちをこの曲に惹きつけ続けた理由かもしれません。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

In a world of my own,
All the flowers would have very extra special powers,
They would sit and talk to me for hours,
When I'm lonely in a world of my own.
There'd be new birds,
Lots of nice and friendly how-do-you-do birds,
Everyone would come and go-do birds,
In a world of my own.
There would be a new kind of cat,
And he'd sit on my lap while I'm reading,
Finding nice things to eat,
And occasionally he would speak,
If I were the Queen of the land,
I'd command that things would be in wonderland,
Things would happen by the hand,
In a world of my own.

キー:C長調 形式:AABA(各8小節・計32小節) 拍子:3/4(ワルツ)
ビル・エヴァンスのアレンジでは豊かなテンションコードが加えられ、単純なメロディーに深みが生まれます。Aセクションは明るいCメジャーを中心に展開し、Bセクション(ブリッジ)ではE♭メジャーへと転調して夢幻的な色彩を帯びます。

A セクション(1〜8小節)

Cmaj7
Am7
Dm7
G7
Cmaj7
Am7
Dm7
G7

▶ ポイント:Cメジャー(ハ長調)のⅠ→Ⅵm→Ⅱm→Ⅴ7という基本的な「ターンアラウンド」進行です。明るく安定したサウンドで、ワルツのリズムと組み合わさると、穏やかな夢の世界が広がるような印象を受けます。

B セクション(ブリッジ・17〜24小節)

E♭maj7
Cm7
Fm7
B♭7
Gm7
C7
Fm7
B♭7

▶ ポイント:ブリッジでは突然E♭メジャー(変ホ長調)に転調します。CメジャーからE♭メジャーへの移行は「平行調への転調」の一種で、音楽的に少し翳りのある色合いをもたらします。これが「不思議の国」らしい幻想的な雰囲気を高めています。ビル・エヴァンスはこのブリッジで特に美しいボイシングを披露しています。

1

Dave Digs Disney

Dave Brubeck Quartet(デイヴ・ブルーベック・カルテット)

1957年 / Columbia

ディズニー映画の楽曲だけを取り上げた、ジャズによるディズニー曲集の先駆け的な一枚。ポール・デスモンドの軽やかなアルトが曲の夢見心地な雰囲気によく合います。

2

Sunday at the Village Vanguard

Bill Evans Trio(ビル・エヴァンス・トリオ)

1961年 / Riverside

ヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ録音。ビル・エヴァンスの繊細なタッチが、幻想的な世界観を丁寧に紡ぎ出します。

名盤を聴き放題で楽しむなら

Amazon Music Unlimitedなら、ジャズの名盤を定額で聴き放題。

無料体験をチェックする

名盤・名演のリンクはAmazonアソシエイト・リンクです。
Amazonのアソシエイトとして、ジャズ・スタンダード事典は適格販売により収入を得ています。

Sammy Fain サミー・フェイン(1902–1989)

ニューヨーク生まれのアメリカ人作曲家。ブロードウェイや映画音楽の世界で長年にわたり活躍し、アカデミー賞主題歌賞を2度受賞した実力派です。代表作には「Secret Love」「Love Is a Many-Splendored Thing」などがあり、ディズニーとの仕事では『ふしぎの国のアリス』(1951年)に加え、『眠れる森の美女』や『ピーター・パン』など複数の名作に楽曲を提供しました。メロディーメーカーとしての卓越した才能は、多くのジャズミュージシャンを惹きつけ、「Alice in Wonderland」をはじめとする彼の作品は今もスタンダードナンバーとして演奏され続けています。