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Jazz Standard — 1911

Alexander's Ragtime Band

お気に入り

アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド

作詞・作曲Irving Berlin(アーヴィング・バーリン)
制作年1911年
初演1911年春、ヴォードヴィル歌手エマ・カラスがシカゴで初めて披露し、その後ニューヨークでも大評判となった
キーF major(楽譜原調)
拍子2/4拍子・行進曲調(タイトルに反し、本来のラグタイムらしいシンコペーションは少ない)

「Alexander's Ragtime Band」は1911年、当時23歳のアーヴィング・バーリンが世に送り出した作品です。もともとはピアノ用の器楽曲として書かれていましたが、評判が今ひとつだったため、バーリン自身が歌詞を付けて歌の形にしたところ、爆発的な人気を獲得しました。発売されるとシート・ミュージック(楽譜)が初年度だけで100万部、翌年さらに100万部を売り上げるという、当時としては破格の大ヒットとなりました。タイトルに「ラグタイム」とありますが、実際の曲調は行進曲に近く、本来のラグタイム特有の細かい裏拍(シンコペーション)はそれほど多く使われていません。それでもこの曲は世界中で「ラグタイム・ブーム」の火付け役となり、バーリンを一気にアメリカを代表する作曲家の地位へと押し上げました。後に「ホワイト・クリスマス」を生んだ大作曲家の、出発点となった記念碑的な一曲です。

歌の情景・意味

歌の主人公は、恋人に向かって「早くおいで、アレキサンダーのバンドを聴きに行こう」と誘いかけます。アレキサンダーというのは、町で評判の楽団を率いるリーダーの名前。彼のバンドは、これまで聴いたことのないような見事なラッパの響きを奏でられるのだと、誇らしげに語られます。さらに「スワニー河」のような古い名曲をラグタイム調にアレンジして演奏してくれることも自慢の一つです。全体として深い物語があるわけではなく、新しい音楽が町にやってきた興奮と喜びを、軽やかに、そして陽気にはやし立てるような一曲です。当時アメリカ中を席巻したラグタイムという音楽ジャンルそのものへの、いわば「応援歌」とも言えるでしょう。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

Verse(ヴァース)

Oh, my honey, oh, my honey
Better hurry and let's meander
Aren't you going, aren't you going
To hear the leader man, the ragged-meter man?
Oh, my honey, oh, my honey
Let me take you to Alexander's grandstand, brass band
Aren't you coming along?

Chorus(コーラス)

Come on and hear, come on and hear
Alexander's ragtime band
Come on and hear, come on and hear
It's the best band in the land
They can play a bugle call like you never heard before
So natural that you want to go to war
That's the best band, honey, that you've ever heard
Come on along, come on along
Let me take you by the hand
Up to the man, up to the man who's the leader of the band
And if you care to hear the Swanee River played in ragtime
Come on and hear, come on and hear
Alexander's ragtime band

キー:F major 形式:行進曲調のヴァース+コーラス構成
1911年当時の流行歌らしい、シンプルで力強いコード進行が特徴です。複雑な転調は少なく、誰もが口ずさみやすい作りになっています。

Verse セクション

F
C7
F
F7
Bb
F
C7
F

▶ ポイント:F(トニック)とC7(ドミナント)の往復が基本で、行進曲らしい安定したリズム感を生み出しています。難しい和音は使われていませんが、堂々とした足取りを感じさせる進行です。

Chorus セクション

F
F
C7
C7
F
Bb
F
C7

▶ ポイント:コーラスもヴァースと同じく明快なF–Bb–C7の関係を基本にしています。和音そのものはシンプルですが、軽快なテンポと相まって、思わず手拍子をしたくなるような高揚感を生み出します。

1

Bing Crosby Sings the Great Irving Berlin Songs

Bing Crosby(ビング・クロスビー)

編集盤

作曲者アーヴィング・バーリンの作品を、ビング・クロスビーの歌でまとめた作品集。柔らかなバリトンで、陽気なこの曲をのびやかに歌っています。

2

Julie Is Her Name, Vol. 2

Julie London(ジュリー・ロンドン)

1958年 / Liberty

ハスキーヴォイスで人気を集めたジュリー・ロンドンの代表作の続編。ギターとベースを中心にした小編成の伴奏が、歌声の色気を引き立てます。

3

Alexander's Ragtime Band

Louis Armstrong(ルイ・アームストロング)

編集盤

アームストロングの明るく力強いトランペットとボーカルが、ラグタイムの躍動感をジャズの語法で鮮やかに描き出します。

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Irving Berlin アーヴィング・バーリン(1888–1989)

アーヴィング・バーリンはロシア帝国(現ベラルーシ)に生まれ、幼くして家族とともにアメリカへ移住したユダヤ系移民の作曲家です。正式な音楽教育をほとんど受けず、楽譜の読み書きも限られていたにもかかわらず、生涯で1500曲以上を作曲し、20世紀アメリカを代表するソングライターの一人となりました。「Alexander's Ragtime Band」で一躍有名になった後も、「White Christmas」「God Bless America」「There's No Business Like Show Business」など、今なお歌い継がれる名曲を次々と生み出しました。101歳という長寿を全うし、その功績は「アメリカン・ポピュラーソングの父」とも称されています。