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Jazz Standard — 1918

After You've Gone

お気に入り

アフター・ユーヴ・ゴーン

作詞Henry Creamer(ヘンリー・クリーマー)
作曲Turner Layton(ターナー・レイトン)
制作年1918年
初演1918年、マリオン・ハリスがヴィクター・レコードに録音し大ヒット。発表当初から多くの歌手・楽団が取り上げた
キーF major(楽譜原調)
拍子4/4拍子・コーラス部はABAC形式・全20小節という珍しい構成

「After You've Gone」は1918年、第一次世界大戦が終わる年に生まれた一曲です。作曲はターナー・レイトン、作詞はヘンリー・クリーマーという、当時アメリカの音楽出版界で活躍した黒人コンビによる作品でした。同年、歌手マリオン・ハリスが録音したレコードが大ヒットし、たちまち時代を代表する流行歌となりました。その後、楽譜には「この曲を有名にした45人の男たち」として、ポール・ホワイトマンやガイ・ロンバード、ルイ・アームストロングといった人気音楽家たちの小さな肖像写真が刷り込まれるほどの人気ぶりでした。曲全体は20小節という変則的な長さで、ほぼ毎小節で和音が移り変わる、当時としては非常に凝った作りになっています。シンプルな別れの歌でありながら、即興演奏の土台として優れていたため、後年のジャズメンたちにも長く愛され続け、今日でもジャズスタンダードの定番として演奏されています。

歌の情景・意味

歌の主人公は、恋人が自分のもとを去っていこうとしていることを知り、必死に思いとどまらせようとしています。「お願いだから、私たちは別れるなんて言わないで」「あなたの恋人の心を傷つけないで」と訴えかけ、長年あなたを想い続けてきたのだと切々と語ります。そしてコーラス部分では、相手が去った後に訪れる未来を予言するように歌います。「あなたが去った後、私は泣き続ける」「あなたはきっと寂しくなり、悲しくなる」「これほどの相手はもう二度と見つからないと、いつか後悔する時が来る」と。怒りや恨みではなく、むしろ深い愛情と一抹の悲しみを込めて、相手の幸せを案じながらも自分の心の痛みを正直に吐露する、素直で人間味のある別れの歌です。

※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。

Verse(ヴァース)

Now won't you listen, honey, while I say
How could you tell me that you're going away
Don't say that we must part
Don't break your baby's heart
You know I love you for these many years
Loved you night and day
Oh, honey, baby, can't you see my tears
Listen while I say

Chorus(コーラス)

After you've gone and left me crying
After you've gone, there's no denying
You'll feel blue, you'll feel sad
You'll miss the dearest pal you've ever had
There'll come a time, now don't forget it
There'll come a time, when you'll regret it
Oh, babe, think what you're doing
You know my love for you will drive me to ruin
After you've gone — after you've gone away

キー:F major 形式:ABAC(全20小節という変則的な構成)
1918年の曲ながら、ほぼ毎小節でコードが移り変わる「ハーモニック・ムーヴメント」の豊かさが特徴。後のジャズメンが好んで取り上げた理由のひとつです。

A セクション(1〜8小節)

F6
D7
Gm7
C7
F6
D7
Gm7
C7

▶ ポイント:明るいFのコードから始まりますが、すぐにD7という外側の和音に移ることで、軽い哀愁の色が差します。この行き来が2回繰り返され、別れを切々と訴える歌詞の雰囲気をよく支えています。

B セクション(ブリッジ/9〜16小節)

Bb6
Bbm6
F6
D7
Gm7
C7
F6
C7

▶ ポイント:Bb6からBbm6へと、長調と短調が入れ替わる部分が聴きどころです。ほんの一瞬、影が差すような響きになり、「後悔する時が来る」という歌詞の切なさにぴたりと重なります。最後の4小節(タグ)でFに帰ってくることで、歌い切った後の落ち着きが生まれます。

1

Drummin' Man

Gene Krupa(ジーン・クルーパ)

編集盤 / Columbia

スウィング時代の花形ドラマー、ジーン・クルーパ楽団の録音を集めた作品集。ドラムが牽引する熱いビートが、アップテンポで演奏されるこの曲の魅力を引き出しています。

2

This Is Teagarden

Jack Teagarden(ジャック・ティーガーデン)

1956年 / Capitol

トロンボーンの名手ティーガーデンが、得意のレパートリーを歌とともに録音した一枚。おおらかな歌心と飾らないヴォーカルが味わえます。

3

The Art of Tatum

Art Tatum(アート・テイタム)

編集盤

超絶技巧で知られるピアニスト、テイタムの演奏を集めた作品集。目にも止まらぬ速さのフレーズと大胆な和音で、原曲を華やかに彩ります。

4

After You've Gone

Roy Eldridge(ロイ・エルドリッジ)

1940年代録音 / Decca

エルドリッジの伸びやかなトランペットが、去っていった人への未練を晴れやかに吹き飛ばすような躍動感を聴かせます。

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Turner Layton ターナー・レイトン(1894–1978)

ターナー・レイトンはアメリカ出身の作曲家・歌手・ピアニストで、ワシントンD.C.の名門ハワード大学で歯学を学んでいましたが、音楽の道を選びました。作詞家ヘンリー・クリーマーと組んだ「レイトン・アンド・クリーマー」は、1910年代から20年代にかけてティン・パン・アレーで活躍した黒人ソングライター・チームの代表格で、「After You've Gone」のほか数多くのヒット曲を生み出しました。レイトンは後にイギリスへ渡り、歌手レス・リードと「レイトン・アンド・ジョンストン」というデュオを組んで現地でも大きな人気を博しました。