Jazz Standard — 1937
ア・フォギー・デイ
| 作詞 | Ira Gershwin(アイラ・ガーシュウィン) |
|---|---|
| 作曲 | George Gershwin(ジョージ・ガーシュウィン) |
| 制作年 | 1937年 |
| 初演 | 映画『A Damsel in Distress(踊る騎士)』(1937年公開)にて、フレッド・アステアが歌うナンバーとして披露された |
| キー | E♭ major(原調) |
| 拍子 | 4/4拍子・AABA形式・32小節 |
「A Foggy Day」は、1937年に公開された映画『A Damsel in Distress』のためにガーシュウィン兄弟が書き上げた一曲です。この映画はフレッド・アステア主演のミュージカル映画で、彼が霧に包まれたロンドンの街を歩きながら歌う場面で使われました。ジョージ・ガーシュウィンにとっては、この年の7月に38歳の若さで急逝する直前に完成させた作品のひとつであり、彼の晩年の傑作として特別な意味を持っています。曇った空模様と晴れない恋心とを重ね合わせた歌詞の構成は見事で、都会的で洗練された雰囲気の中に、ふとした瞬間に訪れる幸福感の輝きを描き出しています。ロンドンという異国の街を舞台にしながらも、アメリカン・ポピュラーソングらしい親しみやすさを失わない、絶妙なバランス感覚が光る一曲です。
歌の情景・意味
歌の主人公は、霧に包まれたロンドンの街を、うつむきがちに、どこか気の晴れない心持ちで歩いています。ロンドン塔もどこか陰気に見え、街全体が灰色に沈んでいるように感じられる——けれどもふと大切な人と目が合った瞬間、あれほど重く垂れ込めていた霧が嘘のように晴れていく。天候の描写を通じて、恋によって世界の見え方が一変するという普遍的な感覚を、詩的に、そして映画的に描き出した歌詞です。
※掲載している英語歌詞は原詩の著作権に配慮し、内容を要約・再構成したオリジナルの言い換えです。正確な原詩は楽譜または正規音源でご確認ください。
キー:E♭ major 形式:AABA(32小節)
ゆったりとした半音階的な動きが、霧の中を漂うような曖昧さと美しさを同時に表現しています。
A セクション(1〜8小節)
▶ ポイント:出だしのEbからEbmaj7、Eb6へと少しずつ色合いを変えていく動きは、霧が少しずつ濃くなっていくような、曖昧で美しいグラデーションを感じさせます。
B セクション(ブリッジ)
▶ ポイント:ブリッジで次々と転調するように動くドミナント・コードの連鎖は、まるで霧の中で方向を見失うような浮遊感を生み出し、最後のAセクションで晴れやかなEbに戻る瞬間の解放感を際立たせています。
A Foggy Day
Mel Tormé(メル・トーメ)
編集盤
霧に包まれたロンドンの街角から、太陽が差し込む瞬間の高揚感を、トーメならではの軽やかな歌声で描いた定番の一枚です。
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George Gershwin ジョージ・ガーシュウィン(1898–1937)
アメリカン・ポピュラー音楽とクラシック音楽の橋渡しをした天才作曲家。ブロードウェイ・ミュージカルの数々のヒット曲に加え、『ラプソディ・イン・ブルー』『パリのアメリカ人』など管弦楽作品でも高く評価されました。「A Foggy Day」は、彼が脳腫瘍のため38歳で急逝する1937年に完成させた、晩年を代表する作品のひとつです。